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「スペインの貴婦人」~復習と予習

インフルエンザ・ウイルス スペインの貴婦人―スペイン風邪が荒れ狂った120日

新型インフルエンザがパンデミック直前だとか騒がれている今日この頃であるが、20世紀初頭に大流行したインフルエンザ、いわゆる「スペイン風邪」のルポでも読んで心構えしようと本書をひもといた。

うわ、しかしとんでもないな、これ。通称「スペインの貴婦人(Spanish Lady)」に罹患したと推定されるのは、当時の世界の人口20億人のおよそ半分、10億人。死亡者数は資料によって違いがあるようだが、本書ではおよそ2100万人と推計されている。単純計算で当時の全人口の1%が、このインフルエンザに命を奪われたわけだ。仮に現在の世界人口を60億人とすれば、致死率1%で実に6000万人が亡くなる計算になる。

もちろん衛生状態とか医療制度・設備なんかは当時とは比較にならないから、万一パンデミックに至ったとしても、上記のような数字にはならないと思われはするが、それでも各国で10万人単位の犠牲者が出る可能性は充分にある。

本書に戻ると、これは「スペイン風邪」の発症から鎮静までのおよそ4ヶ月間を描いたドキュメントである。大陸間の移動は船舶なわけだが、インフルエンザ発症者を乗せた船が停泊するたびに、その土地にウィルスを撒き散らしていく過程が恐ろしい。水際での検疫を実施していた港があったにもかかわらず、である。航空機時代の現代にあって、水際防止がいかに困難かは、この事例をもってしても明らかだ。

これはあくまでも「スペインの貴婦人」の猛威の記録であるから、今日の新型インフルエンザ流行に関して何か有益な情報を提供してくれるわけではない。とはいえ、この種のインフルエンザ・ウィルスがどれほどの猛威をふるったのかは、知っておいても損は無いだろう。

それともうひとつ。「スペインの貴婦人」流行時には、人類はインフルエンザ・ウィルスに対してほとんど無力だったわけだが、それ故に人類共通の敵に向かって、各国が、各個人が力を合わせて立ち向かおうとするに至ったことには感慨を覚えた。

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来るべきパンデミックに備えて、というわけで「ほぼ日刊イトイ新聞」での特集「新型インフルエンザの基礎知識」を見つけたが、こちらは直接的に参考になることばかりである。「手洗い、うがいの励行」が「スペイン風邪」流行の産物とは初めて知った。「スペイン風邪」を復習しつつ、「新型インフルエンザ」の予習をしておこう!

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