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2009年5月

「スペインの貴婦人」~復習と予習

インフルエンザ・ウイルス スペインの貴婦人―スペイン風邪が荒れ狂った120日

新型インフルエンザがパンデミック直前だとか騒がれている今日この頃であるが、20世紀初頭に大流行したインフルエンザ、いわゆる「スペイン風邪」のルポでも読んで心構えしようと本書をひもといた。

うわ、しかしとんでもないな、これ。通称「スペインの貴婦人(Spanish Lady)」に罹患したと推定されるのは、当時の世界の人口20億人のおよそ半分、10億人。死亡者数は資料によって違いがあるようだが、本書ではおよそ2100万人と推計されている。単純計算で当時の全人口の1%が、このインフルエンザに命を奪われたわけだ。仮に現在の世界人口を60億人とすれば、致死率1%で実に6000万人が亡くなる計算になる。

もちろん衛生状態とか医療制度・設備なんかは当時とは比較にならないから、万一パンデミックに至ったとしても、上記のような数字にはならないと思われはするが、それでも各国で10万人単位の犠牲者が出る可能性は充分にある。

本書に戻ると、これは「スペイン風邪」の発症から鎮静までのおよそ4ヶ月間を描いたドキュメントである。大陸間の移動は船舶なわけだが、インフルエンザ発症者を乗せた船が停泊するたびに、その土地にウィルスを撒き散らしていく過程が恐ろしい。水際での検疫を実施していた港があったにもかかわらず、である。航空機時代の現代にあって、水際防止がいかに困難かは、この事例をもってしても明らかだ。

これはあくまでも「スペインの貴婦人」の猛威の記録であるから、今日の新型インフルエンザ流行に関して何か有益な情報を提供してくれるわけではない。とはいえ、この種のインフルエンザ・ウィルスがどれほどの猛威をふるったのかは、知っておいても損は無いだろう。

それともうひとつ。「スペインの貴婦人」流行時には、人類はインフルエンザ・ウィルスに対してほとんど無力だったわけだが、それ故に人類共通の敵に向かって、各国が、各個人が力を合わせて立ち向かおうとするに至ったことには感慨を覚えた。

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来るべきパンデミックに備えて、というわけで「ほぼ日刊イトイ新聞」での特集「新型インフルエンザの基礎知識」を見つけたが、こちらは直接的に参考になることばかりである。「手洗い、うがいの励行」が「スペイン風邪」流行の産物とは初めて知った。「スペイン風邪」を復習しつつ、「新型インフルエンザ」の予習をしておこう!

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キッザニアに行ってきた

連休中に下の娘(小三)にせがまれて、キッザニア東京とやらへ行ってきた。

施設のコンセプトなんかはリンク先の公式サイトを見て戴くとして、要するにスケールの大きなママゴト施設である。

とはいえ、ママゴトというか真似事ってのは真面目かつリアル度が高いほうが面白いのは当然で、施設内に80種類ほどあるという職業体験施設(パビリオンと呼ぶらしい)は、いずれも設備が充実していて、本気度の高いものであった。

ここのミソは、どのパビリオンも大人立ち入り禁止というところで、いったん職業体験が始まると、大人は施設の外から眺めているしかない。子どもにとってはこの「自分一人で参加してる」感がたまらないのだろう。出だしこそ僕の側を離れなかった娘だが、一つパビリオンを経験してから度胸がついたのか、「今度はあっち行ってくるから」と親を放り出す有様であった。

職業体験という教育的要素があるということで、Education + EntertainmentでEdutainmentなテーマパークということらしいのだが、子ども達にとってはリアルな「ごっこ遊び」の場以上でも以下でもないだろう。そういう意味で、小学校の中高学年あたりが最もここを楽しめる世代だと思う。

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出かける前にはどんなとこだかさっぱりイメージが掴めなかったのだが、前日に「キッザニア 攻略」でググったところ、いつかの有益サイトに出会うことができた。ありがたいことである。そうそう、施設の性格上入場者数を制限しなくちゃいけないので、なかなか予約が取りにくい印象があったのだが、各情報サイトから得た情報で、深夜のweb予約カレンダー更新タイミングを狙って、GW中でも問題無く予約が取れた。口コミ情報(特にママさん達の)は偉大である。

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「グラン・トリノ」~思い出のアルバム

グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド監督、5月1日 MOVIX三郷)

連休合間の映画の日、運良く休みとなったので、朝イチの回で鑑賞してきた。朝から映画って、贅沢なような、逆に少々貧乏臭いような、微妙な気分である。

※以下、ネタバレはしないけれど、これから鑑賞予定の方はできるだけ事前情報が少ない方が圧倒的に吉である。ご留意を。


このところほぼ毎年のようにイーストウッド監督作品が製作・配給されてるような気がしていて、事実ほぼその通りなんであるが、出演作としては「ミリオン・ダラー・ベイビー」以来となるらしい。そういう意味では、まさに「満を持して」というか、自らが納得のいく役柄での出演ということなんだろう。

とにかくイーストウッドの「偏屈じいさん」ぶりがすごい。このキャラクターで連続のテレビシリーズ作ってもいいんじゃないかと思えるほど、キャラが立っている。もちろんそれは、本作の主人公であるところの「ウォルトじいさん」の造形が見事なのと同時に、僕も含めた多くの観客が「(ダーティー)ハリーじいさん」を見ているからでもある。そらあんた、現役時代のハリー・キャラハンを知ってたら、あんまり近くに寄りたいなんて思わないでしょうよ。

がしかし、時は過ぎ去り、今や「ダーティー・ハリー」を知っている若者なぞ見あたらなくなってしまった。ましてやそれがアジア系の移民ティーンズであれば尚更だ。そして「ハリー」を知らない若造共には、「これ以上俺の友人に近づいたら、ただじゃおかないぞ」という脅しはまるで通用しない。彼らの辞書(持っているとして)には「リスペクト」という言葉すら無いに違いない。

自分が信じ、大切にしてきたものを受け継がせる次世代が見当たらないことに思い至った時、「ウォルト=ハリー」は彼自身も思ってもいなかったであろう決着を選び、同じく考えてもいなかった「世代」を後継者に選んだ。その選択の是非がわかるのは、恐らく10年、20年経った頃だろう。

イーストウッドがいろんな思いを込めて作り始めた自らの「思い出のアルバム」……、エンディングに流れる渋く朴訥とした彼自身の歌声を聴きながら、そんなことを考えた。このアルバム作り、まだあと何冊か作られそうな気がするし、そうであって欲しい。(★★★★☆)

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vs.アルビレックス~またもや「1-0」

レッズ 1-0 アルビレックス(埼玉スタジアム)

今季9節目にしてようやく初参戦。テレビ中継のあった数試合を見た限りでは、なかなかに面白いサッカーが展開されていたので、楽しみにスタジアムに出かけてきた。が、しかし。前節からわずか中2日ということもあってか、どの選手もなんとなくお疲れモードっぽく、思うようにボールがつながらないのに加えて、同じく中2日とは思えないアルビレックスの出足の良さに押され気味の一戦であった。

停滞ムードを変えようとしたのか、後半早い時間で原口を下げて高原投入。しかし状況はあまり変わらず、むしろ押され気味にさえなってしまったのだが、後半20分頃だったかにマルシオ・リシャルデス(舌噛みそう…)が2枚目のイエローで退場。そこから引き分け狙いとなったアルビレックスに対して、山田直輝を下げてアレックスを投入したレッズが、最後の最後まで攻め続け、4分と表示されたロスタイムの恐らくはラストプレーのCKから闘莉王が頭で押し込み、勝ち点3を文字通りもぎとったのであっった。

期待度MAXで出かけたわりにはもうひとつピリっとしない内容ではあったが、各選手が連動して動く様子なんかは、明らかに昨シーズンとは別次元のサッカーであった。それに加えて、やはり噂の山田直輝は素晴らしかった。恐らくはポンテとの位置関係に気をつけているんだとは思うが、いいタイミングでいい場所に顔を出してくるあたり、確かに今一番見ていて面白い選手だろう。

新しいサッカーの構築に向けて発展途上のチームでありながら、なんとか勝ち点も積み重ねて首位アントラーズと同勝ち点の2位。今の時期の順位は気にしないにしても、やはり中位以下に沈んでるようでは、選手もサポーターも落ち着かない気分になるだろうから、上位にいて悪いことは何もあるまい。

勝敗だけでなく、チームの新たな成長とそれに関わる選手達の頑張りを見るだけでも、今シーズンは充分過ぎるほど面白い。楽しみな一年に、ようやく参加することができた。

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