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「海竜めざめる」

海竜めざめる (ボクラノエスエフ 1)


小学生の頃に夢中で読んだ(と言ってもシリーズの一部だが)岩崎書店の旧「SFこども図書館」(全26巻)は、現在「冒険ファンタジー名作選」(全20巻)として復刊されている。復刊シリーズに収められていない6作品のうちの、僕自身も読んで印象深かった「深海の宇宙怪物」が「海竜めざめる」として復刊された。

…と言いたいところなのだが、この復刊作品、少々ややこしい成り立ちをしていて、星新一が訳した原典版「海竜めざめる」に、「SFこども図書館」版で使われた長新太の挿絵をドッキングさせたものである。でもってやはりこの長新太の挿絵が素晴らしい! なんとものどかで牧歌的な画風なのだが、物語の要所要所の場面を実にうまくイラスト化している。「そうそう、この絵だった!」と小学生時代の記憶が呼び覚まされたのであった。星新一の訳文もスマートで、この組み合わせは確かに大正解だろう。

ストーリーは単純なんだが、「宇宙戦争」みたいな派手派手しいドンパチは無いし、「アルマゲドン」みたいなスペクタクルも「アイアムレジェンド」みたいなグロテスクさも無い。あくまで淡々と静かに、人類が破滅の淵へと向かっていく様子が描かれているのが恐ろしくリアルだ。

宇宙からの侵略がテーマではあるが、もしかしたら今日的な環境破壊とか温暖化とかのメタファーとして読むことも可能であろう。そういう意味では恐ろしく予言的(原著の発行は1953年)な作品である。今回は偕成社から「ボクラノSF」というシリーズの一冊として復刊されたのだが、大人の読書にも充分耐えうる名作である。

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