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2009年3月

「海竜めざめる」

海竜めざめる (ボクラノエスエフ 1)


小学生の頃に夢中で読んだ(と言ってもシリーズの一部だが)岩崎書店の旧「SFこども図書館」(全26巻)は、現在「冒険ファンタジー名作選」(全20巻)として復刊されている。復刊シリーズに収められていない6作品のうちの、僕自身も読んで印象深かった「深海の宇宙怪物」が「海竜めざめる」として復刊された。

…と言いたいところなのだが、この復刊作品、少々ややこしい成り立ちをしていて、星新一が訳した原典版「海竜めざめる」に、「SFこども図書館」版で使われた長新太の挿絵をドッキングさせたものである。でもってやはりこの長新太の挿絵が素晴らしい! なんとものどかで牧歌的な画風なのだが、物語の要所要所の場面を実にうまくイラスト化している。「そうそう、この絵だった!」と小学生時代の記憶が呼び覚まされたのであった。星新一の訳文もスマートで、この組み合わせは確かに大正解だろう。

ストーリーは単純なんだが、「宇宙戦争」みたいな派手派手しいドンパチは無いし、「アルマゲドン」みたいなスペクタクルも「アイアムレジェンド」みたいなグロテスクさも無い。あくまで淡々と静かに、人類が破滅の淵へと向かっていく様子が描かれているのが恐ろしくリアルだ。

宇宙からの侵略がテーマではあるが、もしかしたら今日的な環境破壊とか温暖化とかのメタファーとして読むことも可能であろう。そういう意味では恐ろしく予言的(原著の発行は1953年)な作品である。今回は偕成社から「ボクラノSF」というシリーズの一冊として復刊されたのだが、大人の読書にも充分耐えうる名作である。

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「4TEEN」

4TEEN (新潮文庫)

「ふーん、これが直木賞受賞作かぁ」と読み進めるものの、何とも言えない違和感で落ち着かないこと甚だしい。僕が中学生の頃には、こんな14歳は周囲にいなかったし、恐らく今現在にだっていないだろう。なんたるリアリティの無さ、空想だけの産物、お気楽な連作集か…という評価が自分の中で固まったと思ったのだが、なぜか読後に「腑に落ちて」しまったのだった。

僕自身は、語り手である主人公たちが遭遇するような事件にはでくわしたことがないし、自分や周囲が驚くような恋愛もなければ、身近な人の死も無かった。恐らくは「何もなかった」中学生時代であるわけだが、それゆえにこそ、我々は「いや、中学んときは結構いろいろあったんだよ、俺も」と言いたくなるのだろう。内田樹言うところの「集団模造記憶」みたいなもんだ。

「4TEEN」を読んだ自分は、「こんな中学生いねーよ」と思いつつ、どこかで憧れを抱きつつ想像するのだ。「もし自分が今この時代に14歳だったとしたら、こいつらみたいになれたかもしれない」と。

今の14歳(あるいは10代)が読んでも、たぶん面白くない。「模造記憶」付きでしか14歳を回想できない大人こそが、この作品の読者に相応しい。というわけで、うん、かなり恥ずかしかったけど、オジサンには面白かったよ。

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vs.FC東京(2009シーズン第2節)

レッズ 3-1 FC東京(TBS)

「先生! 城福君が落ち込んでまーす!」
「ああ、いいんだいいんだ、ただの自意識過剰だから」

******

解説の金田に思い切りダメ出しされていたが、確かにFC東京の選手交代は意味不明というか焦りすぎだったかもしれない。それまではお互いがポゼッション志向でボールを奪い合っていたのが、あの交代以降徐々に崩れてしまったわけで、前回対戦に続いてまたもや先方の自滅っぽい一戦であった。

とはいえ、開幕戦に比べればレッズの動きが格段に良くなったのも事実であろう。特に先発したエジミウソンの攻守にわたる献身的なプレー振りはMOM級であった。

中盤から前線にボールを運びつつあるタイミングで奪われたりするシーンも多々あったが、その後の素早い切り替えと、相手より半歩早い出足からの再奪取には大いに感心した。監督効果ももちろんあろうが、個々の選手の頑張りが、いい形で連動しているように見えたのが何より嬉しい。

この試合の自分的ハイライトは3点目。左サイドを猛然と駆け上がった坪井が、中央でフリーの山田直輝に折り返して、さらにそこから右サイドでフリーになっていたポンテに渡してゴール。いやもう、このシーンだけで次の試合まで幸せな気分に浸れるってもんである。坪井のクロスがちゃんと得点に結びついたのなんて、リーグ戦じゃ初めてなんじゃなかろうか(感涙)

てなわけで、やたらと幸福感に満ちた一戦であったが、くそ~、こういう試合こそスタジアムで見なくちゃいけないよな。しくしく←今季参戦未定の人

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vs.アントラーズ~J1リーグ2009シーズン開幕

レッズ 0-2 アントラーズ(NHK)

待ちに待った2009シーズンの開幕戦、お相手はリーグ2連覇中にして開幕前にガンバを3-0と下して早くも一つ目のタイトルを手に入れたアントラーズである。

フィンケ新監督を迎えてチーム再建にあたったレッズであるが、ネット等で目にするオフ中の状況は、練習試合の戦績も含め、概ね良好なものであった。一方のアントラーズはゼロックスカップ時点で既に調整万全といった状況。形としてはレッズが「胸を借りる」ゲームであったのだが…

しかしなぁ、今季標榜する「パスサッカー」とやらでキックオフから前がかり気味に飛ばすレッズと、それに対して慎重に相手の出方を窺うアントラーズって、いったいどっちがホームなんだか。これはあれだな、競馬で言うところの「入れ込みすぎ」ってやつだな。

どういうわけか焦り気味に向かってくるレッズをしっかりと受け止めて、そこからカウンターであっさりと2得点。2点目を取ってからなんて、レッズに好きなだけボールを回させつつも、結局は自分たちのペースで時計を進めてゲームセット。いやはや、この試合に関しては、文字通りの完敗というか、やっているサッカーの格が違うとさえ感じてしまった。

フィンケがやりたいサッカーはなんとなく伝わりはしたが、このスタイルで勝てるようになるには、まだまだ時間が必要だし、それ以上に戦力に不足があるような気がする。選手達がこのスタイルに追いつくのが先か、あるいは適当な補強がなされるのが先か。いずれにせよそれなりの結果がでるのはしばらく先だろう。それまではやるほうも応援するほうも、我慢、我慢。(と、自分に言い聞かせておく)

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