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「おくりびと」

おくりびと」(10月31日、MOVIXさいたま

目の前に体がある。いわゆる「死体」である。家族ならともかく、見ず知らずの「死体」にあなたは手を触れられるだろうか? ましてや顔を撫で、体を抱きかかえ、手を握るなど? たとえそれが「仕事」であっても、だ。

しかしそういう「仕事」は確かにある。我々が近寄りたがらず、目をそむけたくなることでも、誰かがその「仕事」をやらなければならない。そしてその種の仕事でも、いや、その種の仕事だからこそ、高い技術と志に裏付けられた「美しさ」や「高貴さ」が見いだされるのだろう。

思いがけない経緯から「納棺師」になってしまった主人公(本木雅弘)が、とまどいながらもいつしかその仕事をしっかりと「自分の職業」として習得していく過程は、悲惨さよりも可笑しさに溢れている。彼が仕事の腕を上げていくにつれ、なんでもない場面でもつい目頭が熱くなってしまう。それはつまり、しょせんは他人事でしかない「他人の死」が、実はどこかで自分と自分の大切な人たちの死とつながっていることに気づかされるからだと思う。

「好きを仕事に」なんて、誰が言い出したのだろう? 「好きを仕事」などと言っていて、誰がこんな仕事を選ぶというのか。どんな仕事に巡り会っても、まずはそこで最善を尽くすこと。そしてそれが「自分の職業」だと思えるなら、それでいいではないか。この映画は、「職業に貴賎は無い」という言葉の本当の意味を気づかせてくれる。

すでにあちこちで絶賛されているが、モックンの所作が本当に美しい。まるで音のない舞を見ているようだ。これだけでもこの映画を見る価値があるだろう。笑って泣いて、気持ちよく映画館を出られる。とても素敵な一本だ(★★★★☆)

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

松本です。ご無沙汰してすみません(けやき広場での遭遇以来でしょうか?)
実は母校の吹奏楽部定演の件でお伝えしたい事があり、(詳細はミクにも書きましたが・・・)一度ご連絡頂けますでしょうか?
ご多忙中、恐縮ですが宜しくお願い致します。

投稿: まっさん | 2008.11.03 01:00

>先輩

メッセージ了解っす!(遅い)
mixiのほうに連絡しまーす。

投稿: yuji | 2008.11.09 16:50

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