「小説十八史略(1)」
このところ本屋へ行くと、ハウツー本というか「成功本」みたいなのが山と積まれているのに並んで、なんとなく哲学だとか文学(それも古典)だとかが目につくような気がしていた。でまあ、そういうムードに流されやすい自分ゆえ、とりあえずは中国古典への入門ってことで「小説十八史略」(陳舜臣、講談社文庫)なんぞにとりかかってみた。
この第一巻は古代中国の殷から始まって、秦の始皇帝による中国全土統一ぐらいまでが描かれているが、いやはや、こいつは面白い。なんでこの歳までこの本を手に取らなかったのか、今さらながら不覚である。中国という巨大な国土を舞台に、数多の英雄豪傑、善人悪人、老若男女が入り乱れての、文字通りの歴史絵巻にまさに巻置く能わずといった趣であった。
ルビがないと読めない人名がわんさと出てくるのは仕方ないが、それ以上に文章が簡潔にして調子が良くて読みやすいのがありがたい。史実かどうかはともかく、「小説」として面白く読ませるという意味では、著者のサービス精神が満点である。
全6巻、まさに一気読み…といきたいところだが、思うところ(というほどのものではないが)あって、月に一巻ずつぐらいで読み進める予定。2巻以降がとにかく楽しみ。
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