« 生存証明、ついでに模様替え | トップページ | なぜか北京 »

「青に候」~He is back!

青に候

去年の今頃読んだ「うしろ姿」の著者あとがきに、「この手の作品はこれが最後になります」という一文があり、その後の新作が気になっていたところに現れたのが本書なわけだが、なんと著者初の時代小説である。

読んでいるうちに、とてつもない懐かしさと嬉しさが込み上げてきた。これはまさしく初期の傑作群の世界ではないか! 自分という存在を扱いあぐね、過剰な自意識と自己嫌悪の間を彷徨い、しかし心惹かれる人への想いは抑えきれず……いやあ、いいなあ、これぞまさに、かつて我々を虜にしたシミタツの典型的ヒーローの姿である。

少々込み入ったプロット、端役に至るまで魅力的な登場人物、強烈なサスペンスに溢れる抒情、そして控えめながらもファン感涙の「志水節」…… ああ、今日まで読み続けてきて良かった(大げさ) まさにシミタツのセカンド・ブレーク、いや、「抒情の名手」も含めれば、サード・ブレイクである。

初期作品群のファンであれば、これはもう必読の傑作。そして本書で初めて志水辰夫を知った読者であれば、是非是非「飢えて狼」、「裂けて海峡」、「散る花もあり」、更には「狼でもなく」をお読みになることを。読まないと「なかんずく憎悪」しちゃうぞ!


|

« 生存証明、ついでに模様替え | トップページ | なぜか北京 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15752/15412896

この記事へのトラックバック一覧です: 「青に候」~He is back!:

« 生存証明、ついでに模様替え | トップページ | なぜか北京 »