「カポーティ」~「冷血」
「カポーティ」(ベネット・ミラー監督)を観た。(10月20日、MOVIXさいたま)
この映画が、世の中でどんな宣伝をされてるのか知らないのだが、普通に考えて、それほど人気を集める類の作品とは思えない。もしかして映画館には自分一人だったりして・・・と、やや怯えつつ出かけたのだが、金曜の夜に集まった観客は、およそ30人程度。おお、予想外の健闘かも(笑)
トルーマン・カポーティの伝記映画・・・みたいな知識だけで見に行ったのだが、内容的にはまさに「メイキング・オブ・冷血」(by #Credo)であった。
カポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンは、この作品でオスカーを受賞しているそうだが、単なる「そっくりさん」を越えた、実に見事な演技を見せている。事件の残虐性に魅せられ、犯人の人間性に惹かれながら、すべてを創作のためにコントロールしようとするカポーティ。映画終盤で見せる彼の「冷血」振りこそが、全編の白眉であり、同時に映画のテーマでもあるのだろう。
冷たく、ひんやりとした画質が、映画自体に漂う、えもいわれぬ底冷えを感じさせる。秀作。(★★★★)
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原作「冷血」を、たまたまこの夏に読んでいたので、映画鑑賞には好都合であった。やはりこの映画を楽しむには、「冷血」は必読だろう。(リンク先の新潮文庫は、佐々田雅子による新訳。「アウトロー探偵、バーク・シリーズ」での名訳が印象深いが、本作の訳もとても良い出来)
学生時代に親しかった先生(米文学専攻)が、「俺はカポーティはずっと好きだったんだが、「冷血」を読んで、文章の余りの冷たさに、いっぺんにあいつのことが嫌いになった」と語っていたのを思い出した。原書にも是非チャレンジ・・・は無理だろうなー。
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コメント
こんばんは。バーク・シリーズって、アンドリュー・バクスの? いやー、なつかしいです。って違うとこに反応してすみません。
投稿 ヨーコ | 2006.10.22 01:30
>ヨーコさん
おお、そうですそうです、ヴァクスのバークです。さすが良くご存知で。あのシリーズの翻訳があんまり良かったので、翻訳者(佐々田さん)の名前はずっと覚えてたんですよ。そういえば、その後あのシリーズはどうなったんだっけ?(汗)
投稿 yuji | 2006.10.23 00:50