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「アバウト・シュミット」~アバウト・ニコルソン

アバウト・シュミット
アバウト・シュミット」(アレクサンダー・ペイン監督、レンタルDVD)

(以下、微妙に内容に触れるので、未見の方はご注意を)
 
 
 
長年勤めた保険会社を定年退職したシュミット(ジャック・ニコルソン)だったが、退職直後に妻が急死、いきなり引退後のプランが狂ってしまう。ほどなくひとり娘の結婚式がやってくるのだが、フィアンセは冴えないウォーターベッドのセールスマン。娘の結婚を心から喜べない彼は、予定外の一人暮らしの中で、少しずつ心の均衡を失いかけてゆく・・・

定年退職をきっかけに、次々と起きる予想外の出来事に振り回されるシュミットの視点で、映画は最初から最後まで語られていく。徹頭徹尾「シュミットについて」の物語であり、同時にそのシュミットをニコルソンがどう演じるかを楽しむ映画だと思う。

積み重ねられて行く小さなエピソードの数々が、それぞれ切なくもあり、時に情けなく、時にやるせない。退職した途端に「誰でもない人」になってしまったことが、どうしても受け入れられない主人公。頼るべき妻を亡くし、ひとり娘は、自分が気に入らない男と結婚してしまう。自分の思い通りになるはずの退職後の人生が、何一つ思い通りにいかなくなってしまう悲哀を、ニコルソンの名演と、落ち着いたタッチの演出が描いていく。

あるがままをいったんは受け入れたシュミットだが、「結局のところ、自分の存在にはどんな意味があったのか」という問いかけを自らに対してするまでになってしまう。妻も娘も失い、生きていく希望を失いかけたシュミットが、思いつきで始めた里親プログラム(フォスター・プラン)を通じて支援している、子どもからの礼状を読んで、深い感動に包まれるシーンが印象的だ。

淡々と、でもしみじみと。ニコルソン抜きではありえない作品。

*********

娘のフィアンセの母親役で、キャシー・ベイツが出演しているが、見ててびっくりの、いわゆる「体当たり演技」を披露(汗)  女優魂はさすがだが、こちらとしては、まあその、(以下略)

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