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「戦略の本質」

戦略の本質
野中 郁次郎著 / 戸部 良一著 / 鎌田 伸一著 / 寺本 義也著 / 杉之尾 宜生著 / 村井 友秀著

かつてのベストセラーにして、現在も推薦図書によく書名のあがる「失敗の本質」の執筆メンバーが、中断期間を含めて、実に20年の歳月を費やして完成させた姉妹編が本書である。

基本的には戦史研究の書であるのだが、本書では以下の六つの事例が取り上げられている:

・毛沢東の反「包囲討伐」戦
・「バトル・オブ・ブリテン」
・スターリングラード攻防戦
・朝鮮戦争
・第四次中東戦争
・ベトナム戦争

どの事例も、案外知っているようで知らないことが多く、戦史として整理された内容で読むと、いずれも実に興味深い。なお、すべての事例に共通するのは、どれも「逆転の事例」だったことであり、そのコンセプトに沿ったアナリシスも、それぞれに説得力がある。

しかし、やはり本書の圧巻は「戦略の本質」と題された終章の、「10の命題」にある。それぞれの事例で、逆転を可能にした戦略には共通点があるのだが、その最大のものはリーダーシップにあるというのだ。

優れた戦略的リーダーには、「理想主義的リアリズム」が必要とされる、と本書では述べている。この一見矛盾した形容こそが、戦略の本質を表しているというのが、本書での主張である。

上述した「10の命題」は、やや難解ながらも、いずれも示唆に富んでいる。自分にとっては、座右に置いて熟読玩味すべき一冊となった。

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