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2006年3月

井上鑑「CRITERIA」~魔術師の音

Criteria
井上鑑「CRITERIA~この夏の庭で僕は本を書く~」

ある年代以上の方なら、かつて某タイヤのCMでニキ・ラウダの激走に乗せて流れた曲「Gravitation」を覚えておられるだろう。ナイヤガラ・トライアングルや寺尾聡のアレンジャーとして名を馳せた井上鑑の、久々のソロアルバムである。で、発売されてすぐ買って、聴いてみた。

うーむ、一聴唖然、二聴呆然、三聴(以下同様)って感じである←わかんねーよ

とにかく凝りに凝ってるうえ、曲と歌詞それぞれに強い思いのこもった力作なのは確かである。三味線の吉田兄弟や、ピーター・ガブリエルバンドのデビッド・ローズらの豪華ゲスト、楽曲も変拍子(「x=歩幅」の17拍子とか)が出てきたりと凝り具合満点。凝り過ぎちゃって、とても一般ウケしそうにないのが、また井上鑑らしい(汗)

それでも歌詞カードを見ながら、じっくり歌と音を聴き込むと、じわじわと良さが染み出てくる。まさに「音の魔術師」の面目躍如である。彼の他の作品同様、まさに噛めば噛むほど味の出る「するめアルバム」といえよう。あ、もちろんホメてますよ、ええ。

なお、井上鑑の公式サイトでは、本人による「CRITERIA」のweb版ライナーノーツが公開されていて、こちらも必読。ディスコグラフィも載っているのだが、この機会に、初期の名作群「Cryptogram」「Splash」「架空庭園論」等のCD化を期待したい。

それにしてもいきなりSACDハイブリッドでの発売ってのもすごい。我が家の貧弱ミニコンポでも、十分以上に良い音が聞こえてくるんだが、SACDだとどんなことになってるんだろう。うーん、聞いてみたいぞ、SACD。

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vs.エクアドル~再び(楽観的に)予言された未来

日本 1-0 エクアドル(TBS)

えーと、50時間の移動と時差で、恐らくはコンディション最悪のエクアドル相手に、見事対南米勢初勝利である。

でもまあ、エクアドルのコンディション云々はあるにしても、まずまずの試合内容だったと思う。タイトな守備でできるだけ決定的な場面を作らせず、しっかりとしたボールキープから、間隙を縫うようなピンポイント攻撃。なんというか、「蜂の一差しサッカー」とでも形容しましょうか(笑) まあ、格上相手に勝つならこれしかない、っていう感じでもある。

恐らくジーコは、今年に入ってからの強化試合を、本番でのイメージを掴むためのものと捉えているに違いない。この試合、確か6人まで選手交代が認められていたにもかかわらず、FWの2人しか代えなかったのも、本番イメージに拘っていたからではないか。

ついでに言うと、代表選出の基準も、それぞれの選手のベストパフォーマンスをイメージしてのものだろうと思う。そうじゃなくちゃ今の状態の久保や玉田、ついでにガンバで先発していない宮本を使ったりはしないだろう。

ジーコが描く理想のパフォーマンスによる理想のサッカーが、果たして本選で実現するのであろうか。限りなく楽観的かつ希望的観測だが、もしかしたら、そんな試合も一つぐらい起きるかもしれないと、僕は思い始めている。ってことで、ブラジル戦は勝っちゃうかも←本気度55%

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vs.FC東京~親切なFC東京さん

レッズ 2-0 FC東京(駒場スタジアム)

何というか、レッズが勝ったというよりは、FC東京さんが負けて下さったという感じの試合であった。

代表で伸二、アレックス、坪井、長谷部の4人が抜け、さらに怪我で暢久と都築が欠場と、開幕以来の固定先発メンバーから6人が入れ替えとなった。で、この試合の先発は、山岸、闘莉王、堀之内、内舘、啓太、酒井、岡野、相馬、ポンテ、ワシントン、セルヒオの3-5-2。注目はやはり左サイドの相馬、そして右サイドの岡野とワシントンの相方となったセルだった。

基本的な戦い方は今までと同じようなものだったのだが、もうひとつ、中盤でのボールキープができず、こぼれ球も相手に拾われるケースが多い。このへんは、やはり伸二のキープ力と長谷部の出足の良さというのが、チーム好調の支えの一つの要因だったことの証左だろう。

前半はほぼ互角だったと思うのだが、後半はかなりFC東京ペース。押し込まれる時間帯が多く、啓太と酒井がバックラインに吸収される悪いときの形になって、いくつも決定機を作られたのだが、それをことごとく外してもらったおかげで助かった。

少ないチャンスであったが、セルヒオはワシントンの周囲を良く動き回ってゴールゲットと、まずまずの活躍。得点シーンも、ワシントンが競って落としたボールを、落ち着いてしっかりコーナーに突き刺した。中学生みたいな(笑)ヒーローインタビューも初々しく、本人にとってもチームにとっても良いゴールだったと思う。

2点目を決めた酒井は、全般的にバランス重視のプレー振りで、決して悪くはなかったのだが、やはりボランチのどちらかが前線に飛び出す動きが無いと、今のレッズの攻撃力は減殺されてしまう。そういう意味では、得点シーンで前に詰めた動きは秀逸だった。

注目の相馬は、意欲的に良く動いていたが、ちょっと力が入りすぎていた感じ。今の好調アレックスが相手だと、まだまだレギュラー獲りは難しいか。まあ、だいぶ気持ちは入っているみたいだから、サブでもなんでも、出場機会を与え続けるのが正解だろう。

それにしても、相手の決定力不足で勝たせてもらったからいいものの、やはりこのメンバーではチーム力が落ちるのは否めない。良く言われる「ターンオーバー制」の本質については、僕自身もう一つ理解できていないので、あくまでも素人考えだが、今回みたいに試合によってガラっとメンバーを代えるやり方よりは、毎試合一人ずつぐらいメンバーを入れ替えて、実戦においてチーム戦術やコンビネーションの浸透を図ったほうが得策に思えるのだが、どうなんだろう。

もっとも、リーグが進むにつれて、怪我や警告累積で離脱する選手も増えてくるだろうから、自然とレギュラーの顔ぶれも変わっていくのだろう。この試合に出場した選手達が、レギュラー陣と同等のパフォーマンスを発揮してくれることを祈っていよう。

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「邪恋」~大人の苦さ

邪恋
藤田 宜永著

藤田宜永の恋愛小説を読む楽しみのひとつに、主人公の一風変わった職業の設定があるのだが、この「邪恋」の主人公・笹森の職業は、なんと義肢装具士である。ただ、この職業がちゃんと小説の本筋に絡んでいるところが秀逸である。

事故で片方の下肢を失った女性・美弥子と、彼女の義足を受け持つことになった笹森との恋の行方をメインストーリーに、彼と周囲の女性達(自身の妻も含め)との様々な関係が、複雑なタペストリーのように一編の景色を描き出していく。

著者の他の作品と同様に、これといったミステリやサスペンスもないにもかかわらず、全編が秘密めいた妖しげな空気に満ちている。恋愛小説というよりは、ある種の心理小説として読んでもいいのかもしれない。

作中に出てくる「幻肢」という現象と、それをめぐるエピソードが、何故だかいやにリアルに感じられる。大人のための、濃い苦さに満ちた「恋愛小説」である。

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ココログメンテナンス明け

えーと、以前話題になっていたバージョンアップ作業が、一部終了したらしい。まだ新しい機能とかが良くわかってないのだが、とりあえずサーバがしっかり重くなったのは認識した(嘆)

この記事はテストを兼ねての投稿であるが、果たしてちゃんとアップされるのであろうか。ってゆーか、待ってるだけで夜が明けそうで不安なんだが(冷汗)

恐らくは今のこの時間も、サーバ相手に格闘しているであろうココログの中の人に敬意を表しつつ、「さっさとやらんかい、ゴルァ」とエールを送っておくことにする。ウソウソ、無理して体壊さない程度に頑張ってね>中の人

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50,000アクセス到達

チリも積もればなんとやら・・・で、いつの間にか50,000アクセス(ユニークビジターのみ)到達である。自分の参考のために、ここまでの記録をまとめておく:

2004.3.24 1,000アクセス到達
2004.9.14 10,000アクセス到達
2005.2.16 20,000アクセス到達
2005.7.7  30,000アクセス到達
2005.11.6 40,000アクセス到達
2006.3.27 50,000アクセス到達

ということになるようだ。だいたい4~5ヶ月毎に10,000追加ってことになるか。ペースとしては、良くも悪くも安定してきている感じである。

まあ、このぐらいのアクセス数なら、一日で稼いでしまうblogも多いとは思うが、数に関係なく、辺境の零細blogなりに、ビジターがいるのを実感できるのは、有難いことである。感謝、感謝。

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vs.Fマリノス(J1第5節)~守備力の勝利

レッズ 3-1 Fマリノス(TBS)

戦前はかなりの苦戦を予想していたのだが、終わってみれば3-1で快勝。内容的にもほぼマリノスを圧倒して、見事に首位奪取である。

この試合、岡田監督からもおほめの言葉を頂戴した通り、90分を通じて、全員の高い守備意識が素晴らしかった。お互いがお互いの長所を潰し合うという毎度の展開ながら、ほんのわずかの隙をついての暢久の先取点。あれがマリノスのゲームプランを崩し、結果としての完勝につながったのだと思う。そういう意味では、先取点が入るまでは、どちらに転んでもおかしくない内容の好ゲームだった。

後半、前がかりになるマリノスに対して、カウンターで応じるレッズという構図だったのだが、前線にそれほどスピードの無い現在のレッズには、カウンターは難しいと思っていた。にもかかわらず、闘莉王→ワシントン→ポンテ(ヒールパス!)→ワシントン(松田を完全にかわしてゴール)のシーンには、「今のレッズのカウンター」の姿を見た思いがして、かなり感動した。

長谷部のダメ押しゴールも強烈だった。テレビ中継で金田が絶賛していたが、体力的にも厳しいロスタイムに、長い距離をドリブルで駆け上がり、そのまま押し込む形で、最後は鮮やかなシュート。素晴らし過ぎる(感嘆)

大島にやられた一点は余計だったが、あれはクロスを送ったマルケスをフリーにしたのがいけなかった。(あれ? FKだったんだっけ??) あそこでのマーカーは、啓太か内舘だったと思うのだが、それまではほぼ完璧にマルケスを押さえていただけに、ちょっともったいなかった。まあ、今後に向けての反省材料だと前向きに捉えておこう。

次戦は4月2日にグランパス。問題はその前、3月29日にナビスコの予選があることで、不在の代表組はともかく、何人かの選手は連戦になってしまう可能性がある。選手達のコンディションマネジメントが、いよいよ重要になってきた。

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ゴルフ場でサルと握手!

3月25日、いつものお気楽仲間とゴルフ(今季4ラウンド目)。毎回お手頃価格のコースを物色しているのだが、この時期の土曜日となると、さすがにあちこち予約で埋まっていて、なんとか空いていたテイクワンカントリークラブ
iconをチョイス。

リンク貼ったゴルフダイジェストのユーザー評価がかなりボロボロだったのだが、まあ、こういうレビューはたいていネガティブ評価のほうが多くなるのが相場である。こういうこともあり得る・・・と心構えして行くぶんには、それほどガッカリすることもないわけだ。

で、こちらのコースだが、丘陵コースと言うよりは山岳コースで、とにかく無理やり造成した感じ。全体的に距離が短い分、池やバンカーのハザードをキツめにレイアウトしているのだが、こういうコースを「攻略しがいがある」と感じるか、「ストレス溜まってやってられん」と感じるかは、プレーヤー次第だろう。オトナな対処法としては、「ここはこういうコースなんだ」と受け入れるのが正解である(笑)

ところで、インコースの途中に、なんとサルの集団がウロウロしている場所があった。写りが良くないが、下の画像は、カート道路にいた一頭である:
golf060325b1
老若男女、全部合わせて20頭ぐらいいただろうか。ティーショットの間は静かにしてるし、ナイスショットするとみんなで拍手してくれるし、おまけにバーディー取ると、握手までしてくれる(ウソ)

サルの群れに打ち込みゃしないかビクビクしつつ(笑)、スコアは48、51の99と辛うじて2ケタ。初めてのコースならこんなもんかな、という感じである。

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CD買った

会社のシステムダウンと、そこから派生する様々なトラブルに打ちのめされ、現実逃避しつつCD購入。なんて、たまたまHMVがダブルポイントだったからなんだけど。

で、今日買ったのは以下の四点:

ルーセル:交響曲第3番&第4番
ベルク:弦楽四重奏曲
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ、他

でまあ、これらはこれらでいいとして、今日の目玉は本日発売、ファン待望の新作「井上鑑/CRITERIA」である。寺尾聡「ルビーの指輪」のアレンジで有名な井上鑑だが、ソロデビューの予言者の夢 PROPHETIC DREAM(名盤!)から既に24年とは、時の流れとは・・・(嘆息)

買ったばかりでまだ聴いていないのだが、明日は車でお出かけ予定なので、ドライブのお供に聴きまくろうと思っている。楽しみ♪

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システムダウン

会社のサーバがダウンした。

それだけでも充分困るのだが、さらに頭の痛いことに、バックアップ用のNASにも異常が発生していて、バックアップが確認されたデータの日付が、なんとひと月前(痛) 一体全体、どうしてこういう事態に陥ったのか、業者を呼びつけて対処させているのだが、いっこうにラチがあかない。

システム構築jを任せたそのマイナー業者は、他のメジャー候補をやや強引に退けて、僕が主体となって選定した業者だけに、今回のトラブルで僕の面目は丸潰れである。

悩んだ挙げ句に採用したシステムが機能しなかったり、期待して先発に抜擢した選手がダメダメだったりした時の監督の気持ちって、こんな感じなのかな・・・と、ちょっと思ったりもした。

あー、アタマ痛っ。

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vs.セレッソ(J1第4節)~開花予想

レッズ 3-0 セレッソ(埼玉スタジアム)

ホーム2試合目にして、今季初参戦。鳴り響く「First Impression」と共に入場する選手達の背中を見ていたら、なんだか胸が熱くなってしまった。やっぱり試合はナマで観戦するものだな。

三連敗中のセレッソは、予想通り守備重視の試合運びで、前半は恐らく小林監督のプラン通りの0-0。前半のレッズは、いくつかあったチャンスを決めきれずにいるうちに、連戦の疲労もあったのか、なんとなく相手に合わせる悪い癖が出てきたところだった。後半もこの調子だと最悪スコアレスドローか・・・と思っていたのだが、後半開始早々、ゴール前混戦からのリバウンドを、伸二が見事なボレーシュート。ドライブがかかったその弾道は、あまりに鮮やかだった。

リードしてしまえば後は完全にレッズペース。前のマリノス戦と同様に、セレッソDFのゴール前でのボール処理が中途半端なところをついて、ワシントン(通算3シトン)と闘莉王が追加点。守備のほうも、ようやく今季初の無失点と、完勝と言っていい結果に終わった。

久しぶりに伸二のプレーをナマで見たが、本当に巧い。キープ力があって、視野も広く、ミドルレンジのフィードも正確無比。何度か左サイドに放ったパスなど、ちょうどアレックスがトップスピードになる位置を測っているかのようにボールを送っていた。今季初ゴールも含め、チーム内でのフィット感も上々だ。

そして伸二のプレーを支えているのが、長谷部と啓太の汗かきプレーだろう。特に啓太は、常に伸二の位置を確認しながら、危険なスペースを埋めつつ、相手の攻撃の芽を摘んでは、反撃の起点になっていた。開幕以来の、最大の功労者だろう。

どの選手もそれぞれ良かったのだが、やや不調に見えたのはポンテだろうか。まあ、彼へのマークがキツかったり、ほとんどの場合で、前線のターゲットがワシントンしかいないという要因もあるだろうが、それにしても、周囲とのコンビネーションや球離れといった点で、彼本来の力が出せていない気がした。

良かった選手といえば、伸二と交代で入った内舘の好パフォーマンスにはびっくり。見たことないようなトリッキーなプレーも出たし、攻撃にも積極的に絡んでたし、これはやっぱり「伸二効果」なんだろうか。その他、同じく交代で入った黒部と平川もプレーに積極性があったし、どの控え選手もアピールに必死なんだろう。今のところは、選手層の厚さが良いほうに循環している感じだ。

ここまでの試合と同じく、内容的には不満を残しながらも、結果だけは出し続けて勝ち点10の2位。このチーム、このメンバーなら、まだまだもっとやれるはずだとの思いは、試合を見ているサポーター全員が抱いていることだろう。今のレッズは、まさにこれから開花を迎えようとする蕾の状態だと信じたい。

次節は序盤最大の山場のマリノス戦。内容だけで比較すれば、マリノス優位は間違い無いのだが、強い相手に眠っていた力を引き出されることもある。レッズの蕾が、見事に開花する試合になることを期待したい。

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今週の豆:シダモG4

週末、「手焙煎珈琲豆 蔵」にて豆を補充。今回も「味わいチャート」を参考に、「苦み強、酸味弱」カテゴリーから苦みが最も強いらしい「シダモG4」を電話で予約。指定した時間に取りに出かけた。

このシダモ、お値段は200g700円と、この店の中心価格帯。豆を見てみると、大きさがばらばらで、豆質的にいまいちっぽい感じなのだが、ネットで調べてみたら、シダモのG4あたりの豆質は、だいたいこんなもんらしい。

飲んでみたところ、やはり苦みが強くて、かなりしっかりした味わい。飲み始めからカップの半分までは、この苦みと濃さが堪能できるのだが、カップの残り半分になると、苦みがかなり強く出てきてしまうので、ミルクか何かが欲しくなるところ。それでも、挽きたて・煎れたての味わいは格別である。

代金を払って豆を受け取ってから、少々店主と世間話。目新しい豆があるかどうかきいたら、フィリピンはミンダナオ島産のものと、中国雲南省産のものが、それぞれ新入荷とのこと。そういうことは、電話で注文するときに教えてくれよ・・・という感じだが、まあ、このへんの商売っ気の無さが、こういう店の良さでもあろう(笑)

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J1第3節雑感~1ロブソン&1シトン

レッズの試合は見られなかったので、主にスポーツニュースとスーパーサッカーでの印象にて雑感:

・レッズ 4-1 サンフレッチェ
内容的にはいろいろ注文もあるようだが、アウェイで4-1なら文句言うこともないだろう。啓太のゴールは、ニュース映像をみるまでは、てっきりミドルだと思っていたが、「なぜそこにいる?」的ゴール前。守備的な選手がゴール前に顔を出してるってのは、チームが好調な証拠だと思う。

ポンテは前節に続き、相手DFのミスを見逃さずにしっかり1ロブソン(通算2ロブソン)。ワシントンも完璧なヘッドで、開幕戦に続いての通算2シトン目。うわ、今季は計算が大変そう←思い上がり

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・FC東京 0-1 エスパルス
今季のエスパルスはずいぶんと若いチームらしいが、確かに元気一杯な感じが、ニュースの短い時間からでも伝わってきた。若いチームがノってる間は、もうちょっと好調が続きそうだ。レッズとあたるのは第9節だから、その頃には勢いもやや落ちていると、希望的に予測。

・甲府 1-0 川崎
試合終盤のみ、テレビで観戦。大勝したチームが、次の試合で格下に足下をすくわれるってのは、レッズでも良く見る光景だったりするが、ま、どこにでも起きうる事態である。この試合、甲府の集中力も素晴らしかったが、サポーターの盛り上がりも感動的だった。そうそう、勝利はたった一つでもウレシイものだ。勝ち試合にケチをつけるなんて、サポとしては不幸なことだと思う。自戒を込めて。

・Fマリノス 3-1 セレッソ
後半のみテレビ観戦。いやー、今季のマリノスのチーム状態は素晴らしいな。現時点で、J1のチーム中、最も完成度が高いんじゃないだろうか? マルケスが効きまくってるのは間違いないが、そのマルケスを効果的に使おうとする周囲の連動に感心した。今のところ最もあたりたくない相手だが、次の次、第5節でのご対面。

一方のセレッソだが、守備でも攻撃でも、ゴール前の勝負弱さというか、詰めの甘さが目立った。連敗中ということもあって、ちょっとネガティブなムードに陥ってるっぽい。こういう相手とあたった時のレッズはいつも苦戦しているのだが、なんと中二日で次節に対戦。

これからの二試合は、まずは序盤の山場だろう。悪くても1勝1敗、できれば1勝1分で乗り切りたいところだ。連勝と言わないところが謙虚である←自分で言うな

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ちょっと変な金曜の夜

帰宅する電車が途中の駅に停まり、数人の乗客が乗り降りした。ドアが閉まり、電車が走り出して数秒後、座って本を読んでいた僕の鼻に、強い匂いがとびこんできた。一瞬むせそうになって、あわてて顔を上げてあたりを見回すと、5メートルほど離れた場所に、恐らくはこれから出勤と思われる、たぶんお水系の女性が立っている。

匂いのもとは、その女性の香水らしいのだが、強すぎるその香りに、車内にいた乗客は皆、あちこち見回して匂いの元を探している。一瞬にして車内全体に拡がるのに、どれほどの量の香水が必要なのだろう。もしかして、下着をひと晩香水漬けにしたとか←バカ

ほんのふた駅で、彼女は降りてしまったが、香りはもう数駅、あたりに漂っていた。

*********

駅を出て自宅に向かうと、ほどなく若者四人組と遭遇。飲んだ帰りらしく、陽気に喋りながら、こちらに歩いてくる。10メートルほどに距離が縮まったとき、そのうちの一人が、がっくりと膝をついて四つんばいになった。飲み過ぎかな・・・と思いつつ、すれ違いざまに目をやると、四つんばいの彼は何故かズボンを下ろして、パンツ一丁になっている。

ぎょっとしたのは僕だけではなかったようで、仲間たちが慌てて彼を抱き起こし、ズボンを穿かせ出した。そしてそのまま、抱きかかえるように、駅に向かって歩いて行ったのであった。

*********

その後、さらに家路を急ぐと、途中にある小さな居酒屋の前に、人が大勢いる。男性ばかりが、ざっと数えて30人ばかり。どうやらちょうど宴会が開けた後らしい。下は二十そこそこから、上は五十前後まで、赤い顔で大声で喋りながら、道路一杯に広がっている。

いきなり腕をつかまれて「二次会行こうぜ!」とか言われやしないかとビクビクしながら、「すみません・・・」とぼそぼそ呟きつつ、集団をすり抜ける。しばらく歩いて振り返って見ても、相変わらず道路いっぱいに広がったまま、歓談は続いていた。

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全っ然関係ないが、本日3月18日は、吉松隆の誕生日とのこと。辺境のblogから、こっそりハッピーバースデー。

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ストラヴィンスキーを聴く:「結婚」(Le Noces)

Stravinsky: Les Noces, Mass / Leonard Bernstein, English Bach Festival Orchestra

僕が所有している「結婚」のCDは、上に画像を貼った輸入盤なのだが、同じものがamazonにあった……と思ったら、ユーズド商品のみの扱いで、お値段は……29,040円?!  ど、どうしよう、僕の手持ちCDも、そのくらいで売れるってことでしょうか。オロオロ。

とおののきつつ、どうやら「結婚」だけなら国内盤でも手に入るっぽい。上記CDの同時収録曲は「ミサ曲」(Mass)なのだが、こちらのほうに希少価値があるってことだろうか。

さて、その「結婚」だが、独唱、合唱、ピアノ4台に打楽器群という編成。そのピアノも使われ方が打楽器ぽいので、なんとなくバルトーク風味である。で、聴いてみるとこれが面白い! 分厚い合唱の響きや、多彩な打楽器の乱舞も見事だが、全編を通じてとにかくリズムが面白い。「春の祭典」をもう少し土俗的にしたような、それでいてリズムはより現代的なような曲である。さすがに吉田秀和が「LP300選」の一曲に選ぶだけのことはある。名曲なり。

ちなみに上記バーンスタイン盤でのピアニストは、マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ツィメルマン、シプリアン・カツァリス、オメロ・フランチェスの4名。この曲のピアノで、ここまで人を揃えなくても(汗)…って感じの豪華キャストである。ああ、やっぱり試しにこのCDをオークションにでも出品してみようかしらん(ウソウソ、やらないよーん)


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大澤壽人を聴く

ohzawa

なんだか最近ブームっぽい大澤壽人(おおざわひさと)であるが、ちょっと前にNaxosのCDを買ったので、改めて聴き直している。

ピアノ協奏曲第3番「神風協奏曲」と、交響曲第3番が収録されているのだが、やはり聴きモノは「神風協奏曲」であろう。ライナーノーツ(内容充実!)にもあるが、プロコフィエフばりの「鋼鉄のピアニズム」に、全編を覆うモダンなトーン、あちこちに滲み出る「和」のテイスト、巧まざるユーモアに諧謔と、楽しめる要素が満載である。

劇伴みたいな第一楽章や、かなりやりたい放題の終楽章もそれぞれ面白いが、ムード歌謡みたいで意表をつかれる二楽章がかなりツボだ(笑)  これが1938年31歳の作品とは、こやつ、タダモノではない。

巡回先のblogでも立て続けに「大澤寿人」の名を見かけたのだが、神戸出身ということもあって、関西でいくつかコンサートが開かれたらしい。(参照:鳥と私と音楽と)  また、最近自サイトの日記をblog化した吉松隆が、大澤寿人に関するエントリをものしている。

「神風協奏曲」、一度はナマで聴いてみたいものである。

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1ロブソン目♪

ponde0601a

ゼロックス杯でも得点してはいるが、カウント対象はやはりリーグ戦ってことで、まずは1ロブソン目である。あ、画像はポンデ・ダブルショコラ。濃厚なチョコレート味が美味であります♪

今シーズンは、何個ポンデリングが食べられるだろうか。楽しみなような、食べ過ぎが心配なような(笑)

……あ、もしかして、今年はこの企画やらないんだっけ??(汗)

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vs.ジュビロ(J1第2節)~ホーム開幕戦勝利!

レッズ 3-1 ジュビロ(TBS)

とにかくまずはアレックスの大健闘を称えたい。ここまで攻撃でも守備でももうひとつぱっとせず、ネットではかなり叩かれていたアレックスだが、そんな声を沈黙させるに足る活躍。ゴールとなったFKも素晴らしかったが、それ以上に、かつてないスピードとキレでの縦への突破が見事だった。課題の守備でも、頑張って良く自陣へ戻っていたし、この試合のMVPといっていい。

序盤こそ、伸二とポンテへのマークがきつくて、自分たちのサッカーをさせてもらえなかったが、伸二と長谷部がポジションを入れ替えたあたりから、前半に関しては、ほぼ一方的な展開。伸二、長谷部、ポンテ(又はワシントン)の縦の関係がだいぶこなれてきたようで、見ていてワクワクする。

ポンテの3点目も見事だった。あの場面、いったん茶野の後ろに入って、そこから忍者のように飛び出してボールをかっさらってのゴール。狙っていたとしか思えないゴールだが、あんなもん、狙って狙えるものなんだろうか(笑)

守備もほぼ完璧だっただけに、終盤の失点と、そのあとのバタつきはもったいなかった。まあでも、油断禁物ということで、良い教訓になったと捉えたい。

話題の相馬と黒部もついに登場。相馬はアピール第一とばかり、積極果敢なチャレンジを繰り返していたが、確かに攻撃面では有効なオプションになりそうだ。(黒部については、時間も短かったし、評価は保留)

試合間隔一週間であれば、このチームはそうそう負けないだろう。試合間隔の短い連戦や、代表参加での疲労の蓄積をどうマネージするかが、ギド以下スタッフサイドの、今季の最大のポイントになりそうだ。

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「耳をすませば」を半分だけ見た

耳をすませば

帰宅してテレビをつけたら、「耳をすませば」をやっていたので、食事しつつ最後まで見てしまった。まあその、感想はパスしとくとして(笑)、ふと思ったこと。

自分の孫ぐらいの歳の女の子に、「あなたは素敵です」と言えるようなじーさんになりたい。

……

……

……ダメかな?

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「芥川龍之介全集2」

芥川龍之介全集〈2〉

bk1だと本書の画像が無いので、上の画像リンクはamazonにしておいた)

本書での有名どころというと、「地獄変」、「蜘蛛の糸」、「奉教人の死」といったところか。

二巻まで読んでみて思ったのだが、ほとんどの作品で、芥川はアンビバレントな感情の発露を描いている。単純に黒白つけられない結末ゆえに、作品の後味はすっきりせずに、ざらっとした余韻を残す。この巻でいえば、「或日の大石内蔵助」などが典型だろう。全集はまだあと四巻を残しているが、恐らくは同様なモチーフが追求されていくのだろうと想像される。

本巻中の白眉はやはり「地獄変」だろう。何十年ぶりかに読み返して気づいたのだが、絵師の娘を生きながら火にかけたのは、大殿様だったのだな。どういうわけか、絵師自身だと思いこんでいた。そうなると、焼かれていく娘の姿を絵に写す絵師の心の闇が、よりいっそうどす黒いものに思えてくる。恐ろしい小説だ。

ちょっと面白かったのが「あの頃の自分の事」。自らの学生時代を振り返っての散文だが、芥川をはじめとする、早熟な秀才たちが学生生活を謳歌する姿とともに、当時の文学界の状況がうかがえて興味深い。

*********

月に一巻・・・ともくろんでいたが、早くもペースダウン。二ヶ月に一巻で、一年がかりになりそうだ。

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「春の祭典」をめぐる~「名曲をめぐる」より

(承前)

「春の祭典」初演時の騒動は良く知られているところだが、その晩のことについて、コクトーが書いたとされる文章が「名曲をめぐる」に紹介されているので、以下、引用してみる:

*********

 ストラヴィンスキイ、ニジンスキイ、ディアギレフの三人と一しょにコクトーが劇場を出たのは朝の二時でした。そして四人は辻馬車の中に目白押しになってブーローニュの公園へ行ったのです。そのときのことを回想しながら、コクトーはこう書いています。

 だれも黙っていた、夜は爽やかだった。アカシアの匂いにわれわれは最初の樹々をみとめた。池に着いたとき、こもりねずみの毛皮にくるまりながらディアギレフはロシヤ語で微吟しはじめた。僕はストラヴィンスキイとニジンスキイがそれに聞き入っていることを感じた。馭者が提灯をつけると、この興行主の顔には涙が見えた。彼はゆっくりといつまでも微吟しつづけた。
「なに?」と僕はたずねた。
「プーシキン。」
 ふたたび長い沈黙があった。それからディアギレフはまた短い句をつぶやいた。すると二人の隣人の感動は、その理由を知るために僕が口を挿まずにいられなかったほど著しいようだった。
 「訳しにくい。じつに訳しにくいんです。あんまりロシヤ語すぎる。あんまりロシヤ語すぎる。そうですね、島へ旅したいのかとでも訳すんでしょう。うむ、そうなんです。だが、なにしろロシヤ語すぎますね。なぜかというと、ロシヤでは今夜われわれが公園へきたように島へ行くんです。そしてわれわれが春の祭典を考えついたのは、その島へ行く途中だったのです」とストラヴィンスキイはいった。
 はじめてこの晩のスキャンダルがほのめかされた。われわれは明けがたに宿に帰った。これらの人たちの優しみと郷愁を想像することは諸君にはむずかしい。その後ディアギレフが何をしたろうとも、ブーローニュの公園でプーシキンを誦したあとの辻馬車の中の、涙に濡れた彼の大きな顔を僕は永久に忘れないだろう。

*********

ディアギレフが口ずさんだプーシキンが、なんという詩のことなのか、僕は未だに知らずにいる。

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「名曲をめぐる」

手元に一冊の本がある。

タイトルは「名曲をめぐる」、著者は大田黒元雄。音楽之友社刊の音楽新書という新書サイズの本で、奥付によれば昭和30年5月1日発行で、定価は130円との表記がある。

著者自身の序文によると、雑誌「音楽之友」に「名曲百一話」というタイトルで連載された小文に、出版にあたって改訂を加えたものとある。序文にいわく、「もともとこれは気楽な読物として書かれたものなのですからそのつもりでお読み下さい」とのこと。その通り、雑誌連載にもかかわらず、毎回の文章の長さがまちまちというのが面白い。

百一話と謳いつつ、収録されているのは百曲分。いわゆる通俗名曲が中心ではあるのだが、いくつか知らない曲や、やや通好みの選択もある。それぞれの曲をめぐっての、かなり自由なエッセイとなっていて、序文にある通り、読み物として気楽に楽しめる。

僕はこの本を、クラシックを聞き始めた中学生の頃に、親父の本棚で見つけたのだが、それからしばらく(恐らく吉田秀和の「LP300選」に出会うまで)、良きガイドブックとして活用させてもらったし、今でも時々読み返している。

どうして急にこの本のことを書いたかというと、このところストラヴィンスキーを聴いていて、急に本書の「春の祭典」を扱った文章を思い出して、読み返してみたからだ。とても印象深いエッセイなので、稿を改めてご紹介したい。(続く)

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vs.ガンバ(J1開幕戦)~三寒四温

レッズ 1-1 ガンバ(NHK総合)

双方共に決定機を潰し合っての1-1の引き分け。レッズに関しては、現時点での課題(あるいは弱点)みたいなものが、かなりはっきりと出た試合だったように思う。

最大の課題は、やはり左サイドだろう。アレックスは頑張ってはいたが、さすがにオーバーワーク気味らしく、スピードやキレが足りない。失点シーンでも、加地の動きにまるでついていけなかったわけで、これはアレックスだけの責任というよりは、彼を使い続けたギドのミスでもある。恐らくギドは、追加点が入った時点でアレックスを代えるつもりだったのではないかと推察するが、点差よりもやはり時間帯で見切るべきだった。

それから、伸二やポンテ、ワシントンといったあたりは、まだトップコンディションではないように見えた。特に後半に入ると、彼らの運動量が落ち、それに伴って前線から中盤のプレスが効かなるともういけない。ワシントンは73分に交代したが、ポンテが交代したのは試合終了間際。こちらも恐らく、追加点が入ってから代えたかったのだろうとは思うが、そういう意味では、やはり采配が後手に回った感は否めない。

試合終盤の状態を見ていると、逆転されてもおかしくないような流れだったから、引き分けというのは妥当かつ最上の結果だろう。ガンバに限らず、今後対戦するすべてのチームが、それぞれにレッズ対策を立てたうえで立ち向かってくる。いくら戦力が揃っていても、無策で勝ち点を重ねられるほどリーグは甘くない。序盤戦に関しては、三寒四温を覚悟しておくべきだろう。

それにしても、レッズの中盤はタレント的には素晴らしい。長谷部、伸二、ポンテの三人がうまく絡めば、まさにファンタスティックなサッカーが実現するポテンシャルがある。惜しむらくは、使う人間が多くて、使われる人間が少ないことだろう。この課題をどう克服するかが、今季の最大の見所だと思う。

歓喜と失望、昂揚と焦燥のリーグが始まった。第2節が今から待ち遠しい。

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ストラヴィンスキーを聴く:「ペトルーシュカ」その2

クラヲタS君が焼いてくれた「ペトルーシュカ」は、以下の二種。あ、リンク先は「たぶんこれ」という程度ですんで、ご参考まで。

アバド/ロンドン交響楽団
これはいいねぇ。例によって「安心のアバド・ブランド」って感じである。この人のストラヴィンスキーは、テンポの設定が絶妙なんだと思う。スタンダードスタイルの好演。

インバル/フィルハーモニア管弦楽団
やや遅めのテンポで、たっぷりと情感豊かに歌い上げる「ペトルーシュカ」 なんというか、品良く落ち着いてしまっていて、少々面白みに欠けるような気がする。やっぱり謝肉祭は、バカ騒ぎで盛り上げてくれないとねー。

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というわけで、トータル五種を聴き比べ。やっぱりブーレーズの面白さは群を抜いているが、「聴かせる」タイプの演奏としては、デュトワのが気に入った。アバドとメータは同傾向だと思うし、甲乙付けがたいものがある。あーあ、面白かった。

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「発火点」~真保流「青春小説」

発火点
真保 裕一〔著〕

主人公であり語り手の敦也は、12歳のときに父親を殺された過去を持つ。犯罪被害者の家族として、周囲の好奇の目と憐憫にさらされて育った彼は、21歳の夏に出会ったある出来事を契機に、初めて過去の事件を見つめることになる。父が死に至るまでの回想と、21歳の彼が改めて事件の真相に迫る過程がクロスした時、いったい何が起こるのか・・・

ミステリタッチではあるものの、これはまぎれもない青春小説であり、直接的ではないにせよ、いくらかは著者自身の自伝的要素も盛り込まれているように思える。

犯罪被害者として特別視されることに耐えられず、職を転々とし、周囲の人間と深いつながりがもてない敦也。ある出来事をきっかけに、彼がいかに「被害者意識」に甘えていたかを気づかされる過程と、父親が殺された12歳の夏の模様が、交互に語られる。

父親の死の真相を探る旅は、同時に彼の失われた12歳の夏を取り戻す旅でもあった。父親が殺されるまでの12歳の夏の日々と、過去のトラウマから逃げるように送る21歳の日々を、著者はていねいにじっくりと描いていく。

最終的には、敦也は父の事件の真相に辿りつくと同時に、ある人物との再会を果たして、二つの旅の決着をつける。だが、すべてが終わったその後に、もう一つのエピソードが待っていた。真保裕一らしい、心憎いエンディングである。

正直なところ、文庫版570ページは少々長すぎる気がするが、これも作者の思い入れゆえのことだろう。喪失と再生という、作者の得意パターンをしっかりと押さえた、上質のエンターテインメントである。

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「PROMISE」~材料は豪華だが

PROMISE」(チェン・カイコー監督、3月1日 ルーブル丸の内)

久しぶりにここの映画館に行ったのだが、なんと劇場名に「サロンパス」がついていて、館内では本当にサロンパス関連製品が陳列されていた。おまけにこの日は、試供品として「美容液マスク」まで配られていたので、渡されるままにもらってしまった(笑)

映画の日ではあったが、最終回の観客は、座席の6割程度。しかし、そのほとんどが女性観客だったのにはびっくり。みなさん、誰をお目当てに観に来ていたんだろう?

さて、肝心の映画である。「さらばわが愛/覇王別姫」の印象が強烈なチェン・カイコーが、果たしてどんな映画を撮ったのか・・・と大いに期待しつつ観たのだが、うーん(汗)

なんというか、例えて言えば、一流の料理人(監督)が、各国から選び抜いた材料(俳優)を使って、調味料(ワイヤーアクション、CG)をたっぷり使って料理を作ったら、できあがったのは肉野菜炒め定食デザート付きでした、みたいな感じだろうか。あるいは、きれいな絵の具をいっぱい使ってみたら、混ぜてるうちにグレーになっちゃいました、みたいな。

メインの登場人物四人(真田広之、チャン・ドンゴン、ニコラス・ツェー、セシリア・チャン)はそれぞれ好演しているが、中でもニコラス・ツェーが良かった。冷酷非道でありながら、心の奥底で愛と信頼を求め続ける複雑な人物を好演している。

真田広之も、「大将軍」と称えられ、恐れられながらも、実際には小心で小狡い小人物の姿を演じて見事。また、風よりも早く走る奴隷役のチャン・ドンゴンは、無知で素朴な一奴隷を演じていて、少々頭の弱そうな朴訥とした役柄が、本人の良さに合っている。

アクションシーンやチャン・ドンゴンの疾走シーンなどは、迫力を通り越して、ほとんど荒唐無稽だが、チェン・カイコーにしてみれば、想像したとおりの絵をスクリーンに描きたかったのに違いない。そのへんを大目に見てあげれば、悲しくも美しい運命のドラマがおぼろげながらも見えてくるように思う。

扱う素材が豪華過ぎたせいか、かなり散漫なストーリー展開になってしまったのが惜しい。映画としてのデキは、残念ながら今ひとつといったところ。食材が高級なだけでは、美味しい料理は作れない。

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vs.ボスニア・ヘルツェゴビナ~予言された未来

日本 2-2 ボスニア・ヘルツェゴビナ(日本テレビ)

この時期にW杯非出場国と試合してもなぁ・・・なんて思いながら観戦したのだが、ボスニアの本気度がかなり高く、結果として非常に面白いゲームになった。

それにしてもボスニアは、早くて強くて巧かった。特に後半は、鋭い出足で何度も日本の選手からボールを奪い、そこから恐ろしい速さで攻撃を展開し、ほぼ確実にシュートで終わるというパターンが繰り返された。ボールホルダーに対するチェックがあれだけ厳しいと、比較的ゆっくりとパスを回しつつチャンスを探る日本の戦法は、まるで機能しない。

いろいろな課題が明らかになった試合だと思うのだが、特に「三都主左SBの4バック」は、レベルの高い相手には全く通用しないことが明確になった。彼を左サイドで使いたいのであれば、もう3バックしかない。そうなると、中盤の枚数を減らすか、1トップにするしか選択肢がなくなるのだが、どうするつもりなのか。

この試合は、ボスニアを仮想クロアチアに仕立ててのテストマッチだったと思うのだが、恐らく本番での戦いもこんな感じになるだろう。相手が勝ちを確信して、集中が欠けた試合終了間際に同点にしたのは評価されていいが、つまりは引き分けが精一杯ということだ。クロアチアには絶対に勝てないという未来が、ピッチ上で予言されたように思えて仕方ない。がっくり。

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