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「芥川龍之介全集2」

芥川龍之介全集〈2〉

bk1だと本書の画像が無いので、上の画像リンクはamazonにしておいた)

本書での有名どころというと、「地獄変」、「蜘蛛の糸」、「奉教人の死」といったところか。

二巻まで読んでみて思ったのだが、ほとんどの作品で、芥川はアンビバレントな感情の発露を描いている。単純に黒白つけられない結末ゆえに、作品の後味はすっきりせずに、ざらっとした余韻を残す。この巻でいえば、「或日の大石内蔵助」などが典型だろう。全集はまだあと四巻を残しているが、恐らくは同様なモチーフが追求されていくのだろうと想像される。

本巻中の白眉はやはり「地獄変」だろう。何十年ぶりかに読み返して気づいたのだが、絵師の娘を生きながら火にかけたのは、大殿様だったのだな。どういうわけか、絵師自身だと思いこんでいた。そうなると、焼かれていく娘の姿を絵に写す絵師の心の闇が、よりいっそうどす黒いものに思えてくる。恐ろしい小説だ。

ちょっと面白かったのが「あの頃の自分の事」。自らの学生時代を振り返っての散文だが、芥川をはじめとする、早熟な秀才たちが学生生活を謳歌する姿とともに、当時の文学界の状況がうかがえて興味深い。

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月に一巻・・・ともくろんでいたが、早くもペースダウン。二ヶ月に一巻で、一年がかりになりそうだ。

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