« 「あの子を探して」 | トップページ | ラジカセを買った »

「ベルカ、吼えないのか?」~イヌ年に読めっ

ヨーコさん@LA DOLCE VITA絶賛の本作を、ようやく読むことができた。

それにしても、すげー。感嘆、驚嘆、こんな小説を読んだのは初めてだ。とにかくまず文章、というか文体が強烈だ。たたみかけるような、叩きつけるような文体。極度に感傷を排した、虚無的とさえ言えそうな語り口。文章自体はまるで違うが、なんとなくアゴタ・クリストフの「悪童日記」を思い出した。

ストーリーも魅力的だ。なんたって物語の始まりがキスカ島ですよ!? キスカ、アリューシャン列島、奇跡の脱出の島。そこにいた4頭の軍用犬から語り起こされる物語は、まさに現代史・イヌ版であり、壮烈な叙事詩でもある。作中に「イヌ紀元ゼロ年」とか出てくるんだが、これが何の年かは、読んでみてのお楽しみ。この「紀元ゼロ年」のある瞬間に、イヌたちが蒼穹を見上げるシーンは感動的だった。

登場するイヌたちはもちろん、ヒトたちもそれぞれにカッコイイ。いや、個人的には、あんまり関わり合いになりたくないけど(汗)  骨太な小説をご所望な方に、僕からも力強くお薦めである。うぉん。

*********

タイトルに「イヌ年に読め」とか書いたけど、実はそういう安易な発想からは、最も遠いところに位置する小説ですんで、ご承知おきを。

|

« 「あの子を探して」 | トップページ | ラジカセを買った »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15752/8167610

この記事へのトラックバック一覧です: 「ベルカ、吼えないのか?」~イヌ年に読めっ:

» ベルカ、吼えないのか? [LA DOLCE VITA]
 ある軍用犬の系譜と平行して20世紀の戦争の歴史が語られる。この距離のとりかたが [続きを読む]

受信: 2006.01.15 12:03

» 『ベルカ、吠えないのか?』 [サキ緒とモカ子の大逆走!]
 古川日出男さんの『ベルカ、吠えないのか?』は、  去年、予約していた本なんやけど  やっと図書館から連絡があって借りてきた。  今、読んでいるところ。  ジャック・ロンドンの『荒野の呼び声』をちょっと思い出す。  あれはゴールドラッシュの時代を生きた... [続きを読む]

受信: 2006.01.15 22:26

» ベルカ、吠えないのか? [Book Review’S ~本は成長の糧~]
ベルカ、吠えないのか? 古川 日出男 文藝春秋 2005-04-22 売り上げランキング : 3,651 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools ★★★★★★☆☆☆☆多くの書評で好評価をもらっているこの作品。表紙の写真がインパクト強すぎて敬遠していた... [続きを読む]

受信: 2006.01.20 01:35

« 「あの子を探して」 | トップページ | ラジカセを買った »