« 酉の市~通称「十二日まち」 | トップページ | 忘年ゴルフ »

「愚か者死すべし」~ちょっと茹で過ぎ

オンライン書店ビーケーワン:愚か者死すべし

日本ハードボイルド界の偏屈王(笑)、原寮("りょう"は変換できず、ご存知の通り)の9年振りの新作。「私立探偵・沢崎シリーズ」の第2期第一弾ということらしいが、シリーズと言いつつ、これが長編4作目。呆れるほどの寡作ぶりである。

ちなみに本作は、このミステリーがすごい! 2006年版にて国内作品第4位とのことなので、大いに期待して読んでみた。

うーむ、ほほう、うんうん、えへへ、なるほどー、はぁ?、おお!・・・とかなんとか、あれやこれやの感嘆符と共に読み進め、深い溜息と共に読了。いやー、面白かったっす。

前期3作と比べると、全体的に「軽み」のようなものが出てきていて、作品全体がやや明るい感じになっている印象を受ける。従来通り、主人公の一人称ではあるが、一人語りを生かしたボヤキ節みたいなものもあるし、いい感じで肩の力が抜けていて、その分読みやすい。沢崎も齢を重ねて、少しは丸くなったということか。それでも、自意識過剰な程に、自分のルールにこだわる沢崎の姿は、ハードボイルドとはいえ、やっぱり少々固茹で過ぎるような気がする。

相変わらずの複雑にして緻密なプロットと、正統派ハードボイルドらしく、不要な説明を削ぎ落とした文章のせいで、何度か筋を見失うのも今まで通り。何一つ見落とさず、些細なことも記憶している沢崎には、とてもついていけない(汗) 

それはともかく、徹底して「ハードボイルド」の文脈にこだわりつつ、エンターテインメント性をも追求した本作は、充分にその狙いを達成していると思う。このシリーズの今後に、大いに期待したい。

家人の寝静まった深夜に、音量を絞ったジャズをBGMに、ウィスキーでも飲みながら読みたい一冊。でも実際は、通勤電車内で読みました。くすん←半熟卵な人

|

« 酉の市~通称「十二日まち」 | トップページ | 忘年ゴルフ »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15752/7644368

この記事へのトラックバック一覧です: 「愚か者死すべし」~ちょっと茹で過ぎ:

« 酉の市~通称「十二日まち」 | トップページ | 忘年ゴルフ »