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「夏目漱石全集10」

ちくま文庫版「夏目漱石全集 10」をようやく読了。うう、中断期間を含めて、2ヶ月ぐらいこの本にかかってたぜ。

本書はちくま文庫版全集の最終巻にあたるわけだが、収められているのは、初期の文章に小品・随筆、そして講演録といったところ。個々の文章はそれぞれ何らかの面白味はあるのだが、文庫にして700ページ強となると、さすがに捗り方が悪かった。

有名どころでは、「夢十夜」、「文鳥」、「硝子戸の中」なんてのがあるが、どれも硬質な文章と共に、とても味わい深い。ロンドン滞在の模様が出てくる「永日小品」なんか、結構ハードボイルドである。

評論及び講演録もそれなりに面白いが、やはり圧巻は「私の個人主義」か。つい考えさせられる言葉が、あちこちに出てくる:

要するに義務心を持っていない自由は本当の自由ではないと考えます。と云うものは、そうしたわがままな自由はけっして社会に存在し得ないからであります。(中略)私はあなたがたが自由にあらん事を切望するものであります。同時にあなたがたが義務というものを納得せられん事を願ってやまないのであります。

今の世の中、「義務心を持っていない自由」を主張する連中が、ちょっと多過ぎはしないか。自戒を込めて。

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コメント

こんにちは!

先日は突然のトラックバックであったにもかかわらず、ご来訪くださってありがとうございました。麻生暁美こと大川内麻里です。

漱石はわたしも大好きな文筆家のひとりです。彼の作品は文(文体、文章表現など)はしかり、その時代背景にもあると思います。

新民法下で、世のなかの男女観が大きく揺れ動いた時代でしたから。(って、まるでその時代に生きてたみたいな口ぶりやな。まるでクロヤナテツコ笑)

漱石作品のなかでわたしが一番好きなのは「それから」。「文鳥」はその筆力に圧倒されるばかりでした。

投稿: 麻生暁美(本名:大川内麻里) | 2005.10.25 19:47

>「麻生暁美こと大川内麻里」さん(笑)、コメントありがとうです。

ここしばらく、間をあけながらも漱石を再読してたんですが、やっぱりいいですね。その年代にならないと感じられない事どもというのは、やっぱりあるのだなあと思いました。

投稿: yuji | 2005.10.27 01:45

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