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「ノクターン」~偉大なるマンネリ

オンライン書店ビーケーワン:ノクターン

「ノクターン」(エド・マクベイン、ハヤカワ・ポケットミステリ)

今年7月に亡くなった、エド・マクベインの「87分署シリーズ」第48作が本書である。

みすぼらしいアパートの一室で、住人の老婆が射殺死体で発見された。彼女は、かつては絶大な名声と人気を誇った、東欧のピアニストだった。酒浸りの孤独な生活をしていた彼女には、ある秘密があった・・・

とまあ、ここから先は、読んでみてのお楽しみであるが、今回この事件を担当するのは、キャレラとホースのコンビ。ここ数作は、キャレラがメイン事件の捜査をすることが多いように思うけど、気のせいかな? サイドストーリーとして、ややスラップスティック調の(しかし実態は陰惨な)、ある娼婦と売人を巻き込んだ事件が描かれるのだが、こちらを追いかけるのは、ここ数作でメインキャラクターに浮上しつつある、お隣88分署のオリー・ウィークス刑事だ。

内容は、もはや偉大なるマンネリといった趣ではあるが、相変わらずの巧みな展開で、すいすいと読ませる。二つのストーリーが、微妙に交錯するあたりも、なかなか憎い。とりたてて目新しい趣向はないものの、手堅くコンパクトにまとまった佳作である。

ところで、ある時期から、本シリーズでも「司法取引」が当たり前のように描かれるようになった。映画「ア・フュー・グッドメン」の冒頭でも、トム・クルーズ演じる弁護士が、野球のノックをしながら、検事相手に被告の量刑を決めるシーンがあったが、あんなふうに刑罰が決められることに、双方の関係者は納得できるのだろうか? 合理的なのは認めるが、アメリカ人のプラグマティズムは、なかなか理解できない。

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