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「拝啓天皇陛下様」~邦画の実力

渥美清 DVD-BOX

(画像のリンクは、「渥美清DVD-BOX」 渥美清と野村芳太郎のコンビによる四作品が収録されている。本作の単品DVDは発売されていない模様)

撮り溜めてあった「拝啓天皇陛下様」を観た。

(以下、例によって微妙にネタバレである。未見の方はご注意を)
 
 
 
昭和初期、招集された軍隊で、初年兵同士として知り合ったヤマショウこと山田正助(渥美清)と棟本(長門裕之)。生い立ちも性格も異なる二人だったが、いつしか親友として、戦中から戦後にかけて、出会いと別れを繰り返していく。激動の昭和史前半を背景に、自然児・ヤマショウの生き様を、棟本を語り手として描いていく。

いわゆる「人情喜劇」というジャンルになるのだろうか。笑って泣いて、ああ良い映画だったなぁ、と見終わってしみじみ感じる作品である。

とにかく渥美清が素晴らしい。田舎の寒村で孤児として育ち、文盲で酒好き女好き。でも性格は素直で一本気・・・そんな憎めないキャラクターを、まさに「素」で演じている。僕の場合、渥美清といえば、どうしても「寅さん」のイメージがまず浮かんでしまうわけだが、この映画での彼を見ると、「寅さん」以外の映画に、もっともっと出演させたかったと思う。(例えば、「幸福の黄色いハンカチ」での、田舎町の警察署長(たぶん)なんか、短い時間で、実にいい味を出していた)

語り手となる長門弘之も、ダンディでニヒルな売れない作家という役柄がぴったり。文盲のヤマショウを庇護し、読み書きを教えようとする「チュースケ」こと中隊長の加藤嘉、ヤマショウの教育係に任命される藤山寛美、初年兵仲間の桂小金治、等々、実に見事なキャスティングだ。

映画そのものは、野村芳太郎らしく、風景をふんだんに取り入れた、スケール感のある仕上がり。ヤマショウが昭和天皇を目撃する、大演習の場面の充実振りを見ると、この映画がかなりの大作なのが分かる。また、人情ものと思わせつつ、語り口は案外クールなのが面白い。

邦画の実力を存分に見せつける秀作である。

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よく言われることではあるが、阪神・岡田監督、どう見ても藤山寛美にそっくりである。この映画を見て、改めて実感した。

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