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「キングダム・オブ・ヘブン」

キングダム・オブ・ヘブン」(6月1日、MOVIXさいたま

今やすっかり大作映画の監督になってしまったリドリー・スコットの、「グラディエーター」と「ブラックホーク・ダウン」を足し合わて、さらにパワーアップしたような「超」大作である。

普段映画を観に行くときは、できるだけ予備知識を入れずに出かけるようにしているので、今回もそうしていたのだが、この映画に限っては、事前勉強が必要であった(汗) ええっと、1150年前後、十字軍の第二次と第三次遠征の間、キリスト教徒ボードワン4世治下のエルサレムが舞台である。すっかり歴史を忘れていたのだが、十字軍遠征によって、聖地エルサレムは取ったり取られたりしていたわけだ。で、この期間は、キリスト教徒と回教徒の、微妙な軍事・政治バランスの上に、エルサレムが束の間の平和を享受しており、すなわちそれが、「天の王国=Kingdom of Heaven」だったのである。

で、フランスの片田舎の鍛冶屋・バリアン(オーランド・ブルーム)が、ある奇縁から故郷を捨てエルサレムへと向かい、父の教えに従い、真の騎士へと成長し、ついには押し寄せるサラディン軍から、エルサレムを守るための壮絶な戦闘を指揮することになるのがメイン・ストーリーである。

ま、ストーリーそのものは比較的単純なので、ある意味安心して観ていられる。圧巻はやはり全編を通して頻出する戦闘シーンで、特にクライマックスのエルサレム攻防戦は、ロングショットとクロースショットを巧みに使い分ける演出とも相俟って、凄まじい迫力に満ちている。この場面を観るだけで、映画代の価値があった。また、中盤のヤマ場である、荒野での会戦場面では、双方の激突を俯瞰で見せる演出が素晴らしかった。(CGかもしれないけど、それにしても)

史劇ではあるが、やはり随所に現在の中東情勢を意識した箇所が見受けられた。ただ、「ブラックホーク・ダウン」でもそうだったのだが、声高にメッセージを叫ぶのではなく、激しい戦闘の余韻の中で、現在のアメリカによる中東政策に対して、批判的な空気を漂わせている感じだった。

主演のオーランド・ブルームは、戦いに臨む際の険しい顔と、平穏な時期に見せる柔和な眼差しの対照が印象的。また、脇役陣を芸達者が固めており、画面に常に程良い緊張感が漂う。なかなかのキャスティングだと思う。

大傑作ではないが、しっかりと丁寧に作られた、真面目なる大作である。

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