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コダーイを聴く

このところ、コダーイを聴いていた。

手始めに、「ハーリ・ヤーノシュ組曲」(ケルテス指揮、ロンドン交響楽団)を聴いたのだが、これが滅法面白かった。

周知の通り、コダーイとバルトークは、ある時期一緒になって、ハンガリーの民謡研究をしたりしたわけだが、そこから生まれた音楽は、当然ながらそれぞれの作曲家独自のものになっている。有り体に言えば、バルトークのほうがより知的な技法を尽くして、芸術性の高い曲を作ったということになるのだろうが、だからと言ってコダーイの音楽の価値が下がるわけでもあるまい。

このアルバムには、表題曲の他に、「ガランタ舞曲」と「ハンガリー民謡<孔雀>による変奏曲」が収められている。どちらも「ハーリ・ヤーノシュ」に劣らない、楽しくも味わい深い曲だが、特に「孔雀」のほうは、スラブ風に留まらず、はるかオリエンタルな響きも聞こえてきて、とても聴き応えのある作品だ。

ケルテスの指揮振りはキビキビとした印象で、民謡風のメロディーの歌わせ方も、いかにも「おらが国」風で、雰囲気十分。これで1,000円は、とってもリーズナブルである。

もう一枚、以前から知っていたけれど、ディスクを所有していなかった「無伴奏チェロ組曲」。いろんな演奏があるのだが、一番聴いてみたかったシュタルケルの旧録音は、ご存知の通り廃盤にて入手不可。で、とりあえずヨーヨー・マのCDにしておいた。

比較の対象を持たないのだが、ヨーヨー・マの演奏は、いかにも彼らしく、颯爽として軽々としたもの。もしかしたら、精神性とか深みといった要素に欠ける演奏なのかもしれないが、美しい響きで弾ききった感じで、僕としては好印象である。

このアルバムには、コダーイの他には、現代作曲家の作品がいくつか収められているのだが、どの曲も、作曲家の故郷の響きを持ったもので、不思議な共通性がある。

ワイルド「サラエボのチェリスト」は、題名から伺われる通り、平和への祈りを込めた、メッセージ性の強い作品。続くチェレプニン「無伴奏チェロ組曲」は、オリエンタルな情緒に溢れた佳曲。シェン「中国で聞いた7つの歌」は、題名通り中国風のメロディーをモチーフにしてはいるが、案外あっさりとまとまっている。

最後のオコーナー「アパラチアン・ワルツ」は、フィドル風の旋律が朗々と歌われる曲で、早朝の済んだ空気の中で、遠く遙かにアパラチア山脈を望むかのような、清澄な祈りの音楽。他の作品との関連性という意味では、やや異質な感じもするが、コダーイ以外で最も印象に残った曲だった。

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