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「批評の時」

批評の時
新保祐司著

以前読んだ、同じ著者の「国のさゝやき」が面白かったので、もう一冊読んでみようと思って、本書を選んでみた。(当然・・・と言っては失礼だが、本屋には並んでいないので、今回もbk1にて購入)

「国のさゝやき」のほうは、著者の音楽時評を集めた本だったので、比較的読みやすかったのだが、本書は、著者の専門である、近代日本文学に関する批評が中心なので、かなり取っつきにくい。

相変わらず小林秀雄はあちこちに出てくるし、原点からの引用語をいちいち「」でくくる文章作法は、かなり読みづらい。「参ったなぁ」と思いながらも、どこか挑発的な匂いのする文体に引きずられ、最後まで読み通したのだった。

「読みづらい」とは書いたが、最終章、書名にもなっている「批評の時」と題された一稿は、「国のさゝやき」にあったものと同じく、挑発的にしてスリリングな文章で、全巻の白眉である。例を挙げよう:

二十世紀は、作曲の時代ではなく、演奏の時代であった。文学の世界で、二十世紀が小説の時代ではなく、「批評」の時代であったのと、アナロジーがある。現象的には、文学の世界は相も変わらず小説の時代だとしても、事の本質としては、「批評」の時代なのである。

「十九世紀は作曲の時代、二十世紀は演奏の時代、そして二十一世紀は(恐らく)批評の時代」というのは、乱暴ではあるが、かなり面白い括り方だと思う。「批評」にとっては、「今こそその時」(Now's the Time・・・って、こりゃジャズか(笑))ということらしい。

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