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「ネバーランド」

ネバーランド」(3月1日、銀座シャンテシネ))

映画の日、ヒットしてるんだかしてないんだか、よく分からない「ネバーランド」へ。

「ピーター・パン」の原作者であるJ.M.バリ。劇作家として行き詰まっていた彼が、ある家族(母親と四人の子どもたち)と出会い、彼らと過ごす時間の中から、いかにして「ピーター・パン」の物語が生まれていったのかを描いた物語である。

この映画は、もう、ジョニー・デップに尽きる。バリ本人がどんな人物か知る由もないが、「きっとこんな人物だっただろう」と思わせるほどに、見事な役作りをしている。デップだと、僕には「ギルバート・グレイプ」が印象深いが、それと同等以上の出来ではないか。

永遠に少年でいられるなんてあり得ない。夜眠りにつき、翌朝起きるたびに、子どもたちは大人に近づいてしまう。そしてある日突然、少年は大人になるのだ。母親を思いやる長男の決然とした態度を見て、バリは呟く:「なんてことだ、ほんの30秒で、君は大人になってしまった」

けれど、「信じる力」があれば、少年はいつまでも少年のままでいられるし、「ネバーランド」にだって行ける・・・ もちろんそんなことは夢物語だ。しかし、だからこそ、大人は自らの心の中だけででも、少年で居続けたいのだ。そうやって、大人はみんな、神経をすり減らすような日々に耐えていく。

小粒ではあるが、これはまさしく、かつて少年であった大人の男たちのための映画だと思う。

監督はマーク・フォースター。「チョコレート」でもそうだったが、クロースショットを多用し、登場人物の表情を克明に追う。だからこその脇役陣であろうが、興行主役のダスティン・ホフマン、子どもたちの祖母役のジュリー・クリスティ共に、的確な演技で脇を締めていた。

もっとも、お婆さんのジュリー・クリスティを見るのは辛かった。「ドクトル・ジバゴ」「恋」「赤い影」での知的な美しさが懐かしい。

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