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2005年2月

PHSの黄昏

いつも持ち歩いているノートPC用に、DDIポケット(現ウィルコム)のPHS端末AirH"を使っていたのだが、思うところあって、数週間前にNTT DoCoMoの@FreeDに乗り換えた。

AirH"自体は、結構カバーエリアも広いし、移動する電車からでも、切れずに頑張ってつながってくれたりして、かなり便利に使っていた。ウィルコムに変わって、最も低価格なつなぎ放題(32Kbps)を、価格据え置きで128Kbpsにしてくれるのでは・・・などと淡い期待を抱いていたのだが、なんのことはない、最高速度こそ256kbps相当まで上げてきたものの、既存サービスについては、ほぼ現状維持となってしまった。

それも含め、新しいサービス自体に、なんとなく法人志向(邪推すると、個人軽視)の匂いを感じてしまったので、やめることにしてのだった。

乗り換えた@FreeDだが、こちらは64Kbpsでの接続とはいえ、体感的には、AirH"の32Kbpsよりは、いくらか速いかな、という程度。カバーエリアはH"より少ない感じだし、移動中(低速の電車内とか、車の中)では、ほぼ使い物にならない。まあでも、使っているうちに、電波の入りやすい場所も分かってきたので、使用上の不便は特に無い。

今回乗り換えたのには、PHSのデータ通信よりも、最近増えつつある、公衆の無線LANスポットを使ってみたかった、というのがある。そのため、端末もPHSと無線LANのデュアルモードが使えるのを選んだ。早く接続実験をしてみたいのだが、なかなかうまい具合に、使いたい時間帯に無線LANスポットに出会えずにいる←ありがち  近くを通りがかったことはあるのだが、一回500円取られる(HOT SPOTの場合)のなら、最低でも一時間ぐらいはつないでいたいしなぁ。

とかなんとか、新しいオモチャで遊んでいたこのところだったわけだが、今日のニュースによると、「ドコモ、PHSサービス撤退も視野に4月末で新規受付終了」 ・・・(痛) それにしても、自分でも呆れるばかりの先見性の無さである。

とりあえず、サービス終了までは2年ぐらい時間がありそうだから、それまで携帯端末(PC含む)用のデータ通信サービスが、どんな展開を見せるのか、当事者の一員として楽しませてもらうことにしよう←精一杯の強がり

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vs.ザスパ(さいしんカップ)

レッズ 3-1 ザスパ(熊谷陸上競技場にて観戦)

なんだかんだと言っても、やはりレッズの試合が見られるというのは嬉しい。リーグ開幕は今週土曜日からだが、他のチームもいろいろと試合をやってるみたいだし、実質的には今日がサッカーシーズンの幕開けであろう。

さて、本来なら来るべきシーズンを見据えて、基本となる体力づくりとコンディション調整のはずのオフ期間だったわけだが、どういうわけだか怪我人続出と、チーム状態はかなり悪い。来週のリーグ開幕を控えて、どんなメンバーと布陣でこの試合に臨むのか、かなり興味があったのだが、先発はこんな感じ:

GK 都築、DF(右から) アルパイ、闘莉王、坪井、MF(右から) 平川、酒井、ネネ、アレックス、攻撃陣は永井の1トップに、暢久、長谷部の2シャドー。

この布陣のポイントは、ネネのボランチ、平川の右サイド、そして暢久、長谷部の2シャドーといったところか。で、結論から言うと、このプランは全然使えない(笑) 特にネネのボランチは、どう考えてもギドの「思いつき」レベルに感じたのだが、どうなんだろう?

平川本来のポジションである右サイドが、ほとんど機能しなかったのも、逆の意味で驚き(笑) 後半、岡野に代えられてしまったが、その岡野が右サイドを破りまくって、ゴールまで決めてしまったのだから、本人はさぞかし悔しいことだろう。

それから、暢久、長谷部の2シャドーだが、二人共がトップ下的な動きをして、かつラストパスの受け手が永井一人というのでは、戦術的にさすがに無理があるように思う。先制されるまでの50分間は、前の三人のどこにボールが入っても、そこから時間がかかりすぎた。

守備面も課題だらけで、アレックスの裏が弱いのは目をつむるとしても、DF3人の連係がまだまだ取れていないし、それ以上に、各選手のコンディションがイマイチ。失点のシーンも、相手と競った坪井が、引き倒されたようにも見えたが、DFがフィジカルで負けちゃいかんだろう。

先制されてようやく目が覚め、そこからは人もボールも良く動くようになったので、ここから3点取っての逆転勝ちは、地力の差から考えて、当然だろう。しかし、J1各チーム相手に、今日のような試合運びでは、かなりヤバイ。どこをどう修正して、開幕のアントラーズ戦に臨むのか。

開幕からしばらくは、かなり苦労しそうな予感である。

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「のだめカンタービレ」

blogをうろついていると、あちこちで見かけるので気になっていた「のだめカンタービレ」に、とうとう手を出してしまった。

第3巻まで読み進めてきたが、うわー、これはすげー、ハマったー。のだめ始め、どのキャラも強烈過ぎ。笑える。で、所々に、微妙にじん・・・とさせるくすぐりがあったりして、なんかもう、王道ですな。

ここはひとつ、残り8巻(だよな?)を一気に「オトナ買い」したいところだが、ちまちまと1巻ずつ、読み進めていこうと思う。すぐに全巻揃っちゃいそうだけど(汗)

しかし、このトシで「のだめサイコー」とか騒いでるのは、かなりだめな気もする(複雑) でも、同じくハマってるオジサンも多いみたいだから、いっか(違)

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「ノッティングヒルの恋人」

nottinghill録り溜めてあった、「ノッティングヒルの恋人」を見た。

ローマの休日」の換骨奪胎か、あるいは逆「プリティ・ウーマン」とでもいうか、とにかくおよそ「ありえない!」ストーリーなんだが、不思議なほど完成度が高い、上質なラブコメディになっているのに感心した。

主演二人の役作りと演技も立派だが、やはりこの映画は、脇役陣が素晴らしい。特にヒュー・グラントの周囲は、とにかく変人だらけ。それも、やたらと「英国的」変人が多くて、映画の舞台をイギリスに設定したのが、見事に成功している。(スパイク、あんた最高だぜ!)

「こんなこと、あるわけねーよな」とかシニカルに突っ込みつつ、最後まで引き込まれて見てしまう、魔法のような一本であった。かなりオススメなので、未見の方は是非どうぞ。

それにしても、ジュリア・ロバーツの口はデカイ(笑)

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「道草」

夏目漱石「道草」」(ちくま文庫版全集第8巻所収)を読んだ。

漱石唯一といっていい、自伝的というか、私小説的内容(というより、まんま私小説)の作品。時期的には、英国からの留学帰りの頃から、「猫」で作家デビューする直前ぐらいまで、ということらしい。

私小説ではあるものの、物語としては、なかなか面白い。自身の複雑な生い立ちの挿話や、その回想。養父母に対する、複雑な感情。自分の兄姉達や、更には義兄(姉の夫)、そして妻とその実家等々、縁戚関係の人々への漱石の思いや、微妙な感情のやりとり・・・ こういった、漱石を巡る、彼の人生のある期間のスナップが描かれるわけだが、話の中心に、「突然彼の前に現れた元養父と、彼が引き起こす面倒」といったエピソードがあるため、一編の小説としてのまとまりが良い。

それにしても、ここで語られる漱石の鬱屈たるや大変なもので、確かに彼自身の偏屈さが本人をより鬱々とさせているとはいえ、彼を取り巻く状況も、かなり重苦しいものがある。本人の性格の問題プラスこの環境が、彼をして「エゴイズム」を終生のテーマとして考えさせることとなったのは、当然と言えそうだ。(もっとも、読んでいて、もう少し奥さんに親切にしてやってもいいんじゃね?、なんて思うのは、僕が今の時代の読者だからであろうか)

薄明るいような、逆に薄暗いような結末は、「」のラストにちょっと似ていて、アイロニカルな諦念に満ちている。

未完の遺作「明暗」の直前の作品、ということは、これが実質的な絶筆ということになるのか。漱石は、こういうタイミングで、自らの人生を振り返る作品を書き上げたのだった。

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「シービスケット」

seabiscuitシービスケット」をレンタルDVDで観た。

初めて競馬場へ行ったのは、学生時代だった。スタンドではなく、コースの間際でレースを見た。地響きをたてて疾走する馬の集団、きらめくように美しい馬体、そして最後の直線での大歓声・・・忘れられない体験だ。

肝心の映画だが、大恐慌に打ちのめされたアメリカで、様々な理由で、物理的にも精神的にも多くを失った人々が、一頭の馬を通じて出会い、そしてその馬「シービスケット」と共に再生していく物語。

主要な登場人物三名(馬主、騎手、調教師)のキャラクター設定と、キャスティングが絶妙だ。馬主役のジェフ・ブリッジズは、「タッカー」の主人公とも相通ずる、アグレッシブなアーリーアメリカンタイプの成功者姿が、実にはまっている。

騎手役のトビー・マグワイアは、騎手としてはちょっと大柄(映画の中でも、「騎手はデカイけどな」という台詞が出てくる)だが、撮影の巧さか、それほど違和感はない。一見、穏やかで知的な優男だが、内部に鬱屈したものを抱えた頑固者というキャラクターを、うまく演じている。

物語自体は、ほとんど予定調和で進むのだが、美しくも迫力あるレースシーンには、思わず引き込まれてしまう。中盤のクライマックスシーンでは、競馬場の観衆と一緒になって、手に汗を握って、シービスケットに声援を送っていた。

正攻法で描かれた、きちんと一本筋の通った、爽やかな物語だと思う。できるなら、映画館の大スクリーンで、迫力満点のレースシーンを堪能したかった。

人々が、それぞれの思いを一頭の馬に託す・・・というストーリーでは、邦画に「優駿」という先例があるのだが、撮影技術の差はともかくとしても、映画としての仕上がりは、雲泥の差である。この頃の邦画は、僕にとっては、悲しいほどにつまらなかった。

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レコ芸を買った

職場の最寄り駅前に、小さな本屋がある。

何の変哲もない、駅前の小型書店なんだが、雑誌と文庫の品揃えが自分好みなので、週に何度かは立ち寄って、新刊の定点観測をしている。

その本屋が、このたびリニューアルした。

今まで事務所スペース(たぶん)だった場所も書棚にしたらしく、店内はいくらか広くなったようだ。しかし、それまではどこにどんな本や雑誌があるか、だいたい頭に入っていたので、新刊チェックなんかはその場所を一目見れば良かったのだが、リニューアルされると、いきなり迷子になった気分になる。慣れるまでは、しばらくかかりそうだなぁ←記憶力の落ちている人

リニューアルオープン記念ということで、本を買うと、記念のボールペンがもらえて、ついでに福引きができるらしい。ご祝儀代わりに、と思い、立ち読みしていた「レコード芸術(3月号)」を買った。いやー、久しぶりに(10年ぶりくらい、マジで)レコ芸なんて買ったけど、1,250円もするのね(汗) まあでも、読むところはいっぱいあるし、付録に試聴CDなんかもついてるし、10年ぶりの再会を、じっくりと味わわせてもらおう。

そうそう、福引きの結果は、なんかの付録らしき、「絵葉書セット」でありました。こんなもんさ(諦)

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ゴールデン・マンダリン、そしてミル

豆を補充してきた。

今回は再び「ランサメント香房」へ行き、「ゴールデン・マンダリン」(こちらの豆メニュー参照)をチョイス。

今まで行ったどの店も個性的で良かったが、ここのお店の豆は、とにかく香りがコーヒーらしくていい。もちろん味もいいが、こちらはまだ僕の舌が成熟していないので、微妙な違いは到底分からないのだが。まだまだ修行が必要である。

「珈琲」、「自家焙煎」あたりをキーワードに、いろんなサイトやblogを見て回っているのだが、最近ミルについての記述をよく見かけるようになった。それも手挽きのアンティークタイプのものが人気らしい。(どうやら今放映されているドラマ「優しい時間」に出てくるようなのだが、僕は見たことがないので、使われ方は良くわからない) Amazonで見てみたら、手挽きのミル数種は、現在品切れ中。かなり好調に売れてるようだ。

ミルについて解説したサイトによれば、「安価なプロペラ式の電動ミルは、できれば使わないほういい」とか書いてある。うう、我が家のミルが、まさしくそれだ(悲) それじゃ、この際少しまともなのを手に入れてみるか・・・と、さらにいろんなサイトをうろついてみたところ、カリタの「ナイスカットミル」なる商品の評価が高いことが判明。しかしこれ、値段も立派だけど、なんだかやたらとデカそうなんだが、ほんとに家庭用か?
Kalita ナイスカットミル (ブラック)
Kalita ナイスカットミル (ブラック)

しかし、ちょっと豆を気にするようになったら、ミルだのなんだの、次々に気になるモノが増えてくる。いよいよ「道楽」の域に近づきつつあるようだ←まだまだ甘い

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厄は除けられたか

佐野厄除け大師に行って来た。

およそ一年前の記事に書いたとおり、それまでは時季はずれの初詣ってことで、鹿島神宮に行っていたのだが、やはりどう考えてもレッズファンの自分が有り難がって行く場所ではないと思い至り、宗旨替えしてみたわけである。

実のところ、佐野厄除け大師に行ったのは初めてだったのだが、あんなに人が大勢来るところとは知らなかった(汗) 10時ちょっと前に到着したのだが、既に境内は結構な人出。護摩を焚いてもらうのも、もちろん、いっぺんに100人ぐらいまとめて、である。こうなるとさすがに有り難みに欠ける気もしないでもないが、ま、観光地化したお寺なら、こんなもんだろう。

さて、お参りを済ませ、もう一つの目的であるラーメン屋へ(笑) 前日、あれこれとネットで下調べしてみた結果、家族連れでも入りやすそうな「おぐら屋」さんへ出かけてみた。

広い敷地に大きな店舗、駐車場も広々していて、なんとバス用の駐車スペースまである。店に到着したのは11時半頃だったが、既に店外には10人ほどの客待ちが。それでも、客の回転は速いようで、10分ほど待って入店できた。

今回はチャーシューメンを注文してみたが(と言っても、基本的にラーメンのメニューは「ラーメン」と「チャーシューメン」の二種類だけ)、その名の通り、大きなチャーシューが溢れんばかりに乗っかってきた。スープはほとんど透明ながら、案外しっかりとした味がある。麺はやや太めかつ柔らかめで、美味しいことは美味しいが、僕の好みとしては、もうちょっとコシのある麺が良かったかな。まあでも、決して悪くない。とは言え、また行列して食べたいかというと・・・うーん(汗)

さて、ラーメンも食べたし、この後は佐野プレミアムアウトレットにでも寄って帰ろうかと移動し始めて数分、なんとタイヤがパンクしてしまった。とりあえずスペアタイヤに交換したものの、これで高速を走って遠路を帰る気にならなかったので、幹線道路沿いの大型タイヤチェーン店に駆け込む。ぼちぼちタイヤ交換時期ではあったので、やむなく四本まとめてお買い上げ&交換と相成ったのであった。

厄除け大師の帰りにこれかよ!って感じだが、これはもしや、安易な宗旨替えが鹿島神宮の怒りに触れたのであろうか←ありそうでコワイ

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20,000アクセス

ログインして、ふとカウンターを見たら、20,000アクセスを超えていた。めでたい。

しかし、昨日の時点では、大台まではまだ数日かかりそうに思えていたのだが、今日一日でカウンターが大回転したのである。

もちろんその理由は、一個前の記事の「愛ルケ」で、本日の訪問者のほとんど8割ぐらいは、このキーワード経由でここに来たものと思われる。恐るべし、「愛ルケ」(笑)

ついでに僕も「愛の流○地」でググってみたのだが、その数なんと2,330件(驚) 上位に表示されたblogをいくつか見てみたが、いやー、どこの記事も面白いっす。まあ、ほとんどがツッコミ系なんだけど、中にはかなり真剣に怒ってらっしゃる方なんかもいて、この小説の反響の大きさが良く分かる。

しかし、この風潮の中で、「愛ルケは素晴らしい、さすが渡辺淳一!」とか、マジメに賞賛するblogとかがあったら、かなり面白いだろうなー。ジュンイチ教信者のblogとか、どっかにないかしらん?

とまあ、例によって駄文を積み重ねつつある当blogだが、お陰様で20,000アクセス達成である。アクセス数稼ぐにゃ、愛ルケだねっ←バカ

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「愛ルケ」??

全日本人ビジネスマン必読の日経新聞であるが、その中でもさらに必読なのが、最終ページの「私の履歴書」・・・ではなく、渡辺淳一「愛の流刑地」(通称「愛ルケ」)であろう。

安易な展開といい、なんだか妙にいじましい主人公の姿といい、やたらと濃厚な情交場面の描写といい、「もしかしたら、これは笑って読む小説ではないか?」とか思ったりもするのだが、「株価欄は見なくても、これは読む」という読者に支えられ、少なからず日経の部数増加に貢献していることは間違いない。

連載開始にあたって、渡辺淳一先生が所信を表明していらっしゃるわけだが、いきなり「純愛ブームへの挑戦状」みたいなノリで、これを読むと、ほんのちょっと先生の行く末が心配になったりするのだが、ま、御大ともなると、何を書いてもオッケーなんだろう。

ところで、巡回している「RECORD 日々是修行」さんのところで紹介されていたのだが、「にっけいしんぶん新聞」というblogにおいて、「今日の愛ルケ」なる連載が進行中。これはもう、「愛ルケ」読者は必読である。「愛ルケ」を3倍ぐらい楽しめること請け合い(笑) 超オススメ。

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「こころ」

夏目漱石「こころ」(ちくま文庫版全集第8巻所収)を読んだ。

「こころ」を読んだのは、何回目だろう? 最初に読んだのは、確か中学生の頃だったと思うのだが、その後も、折に触れて読み返している。もっとも、前回読んだのは、恐らく15年ぐらい前のことだとは思うが・・・

それにしても、「こころ」は見事な作品だった。

冒頭からいくつもの謎を提示しつつ、伏線を張り巡らせる緻密さ。語り手が語る「先生」の謎が、後半「先生の手紙」という形式で、一気に明らかにされるカタルシス。そして同時に、漱石終生のテーマである「エゴイズム」の追求がもたらす悲劇的な結末。小説としての面白さと共に、何度もの再読に耐えうる、多面性と深みがある。

今回読んでみて、改めていろいろな箇所で心を動かされたりしたのだが、特に圧巻だったのは、やはりKの自殺シーンだった。Kの自殺を目撃した「先生」は、遺体の枕頭にあった遺書を真っ先に読んだ:

私はちょっと目を通しただけで、まず助かったと思いました。

恐らくはその死の原因が自分にあると分かっているがために、何よりも先に遺書を読んでしまう。そして、ショッキングな死の現場にいながら、遺書の内容にほっと安堵する彼の姿に、僕は慄然としつつも、その心情を理解しそうになるのだ。自分もきっと、同じ行動を取ってしまうに違いないと思って。

あと何回、「こころ」を読み返せるか分からないが、これからも数年毎には手に取ってみたいものだと思っている。

作中で、最初に読んだ時から、ずぅっと印象に残っている言葉がある。

「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」

これからも、忘れずにいよう。

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ゴルフな日曜日

昨日の日曜(2月13日)、ゴルフへ出かけた。今季2回目のラウンドだが、ホームコースは今回が初ラウンド。メンバーとしては、ちと情けないところである。

前日の天気予報で、やれ寒くなるだの、雪か雨になるだの、散々な言われようだったのだが、コースに到着してみると、薄曇りで風もなく、時折雲が晴れては穏やかな日が注ぐという、実に快適な天候であった。最近の天気予報の当たらなさというのは、良く会話に登る話題だが、今回も見事に外してくれて、ありがたい限りである。

さて内容だが、前半は大きなミスもなく、手堅く47で回れたのだが、これで欲が出たのか、後半は出だしから数ホール、余計な力が入って大叩き。上がりの4ホールでなんとかリカバリーしたものの、結局51のトータル98。相変わらず平凡なスコアでの、ホーム初ラウンドとなってしまった。

その晩、寝る前についテレビをつけたら、ちょうどゴルフの女子ワールドカップが佳境を迎えていたところ(16番あたり)だったので、ついついそのまま最後まで見てしまった。

17番のバーディー揃い踏みも立派だったが、最終18番のパーも、お互いの持ち味を出してのもので、見ていてとても気持ちよかった。

スコアの経過を見ると、前半に宮里が稼いだ貯金を、北田が使い果たすという展開。あのまま北田が立ち直れなくても、あるいは宮里が調子を崩してもおかしくない状況だったが、二人とも良く耐えた。特に北田は、最終日に関しては宮里の足を引っ張った形になっていただけに、気持ち的に良く持ち直したものだと思う。ホールアウト直後、抱き合って喜んだ二人だが、その後で北田が宮里に「ごめんね」と涙声で謝っていた声を、マイクが拾っていた。その気持ち、実に良く分かる。

一夜明けて、今朝のスポーツ新聞は一斉に一面で書き立てた。「藍ちゃん、世界一!」 ・・・おい、どうして北田も同じ扱いにしないんだっ(怒)

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バレンタインデー05

例年通り、今年もちゃんとバレンタインデーは中止されたようだ(笑)

ちょうど一年前に、こんな記事を書いていたわけだが、そうかー、あれからもう一年かー。ついこの間、このblogを始めたばかりだと思っていたのに、なんたることか。やれやれ。

とかなんとか、余計な前置きをしつつ、今回娘達からもらった、バレンタイン用チョコレートケーキの画像を、記念にアップ。

valentine05

ほほー、なかなかの力作・・・と思いきや、最近はいろいろと便利なモノがあるらしい。ま、気持ちだけでもありがたく戴いておきましょう。

もっとも、このケーキを一番たくさん食べたのは、制作者である長女だったりしたのだった←ありがち

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バルトークあれこれ

相変わらずバルトークを聞き散らかしている。

管弦楽曲も面白かったのだが、その後は、ピアノ協奏曲を何度も繰り返して聴いていた。(アシュケナージ/ショルティの全集) 三曲どれも名曲だが、やはり2番が最高傑作なのかなぁ。でも、妙に耳馴染みのいい3番も、すごくいい。

今は弦楽四重奏曲を集中的に聴いているのだが、こ、こいつはなかなか手強いかも(汗) 結構集中して聴いていないと、なかなか曲を楽しむというわけにはいかない。まあ、めげずにもう少し聴き込んでみたい。

平行して、いくつかバルトークのCDを新たに仕入れてみた。

とりあえず二曲のヴァイオリン・ソナタのCDを・・・と探してみたら、これに無伴奏ソナタという曲もあるとのこと。どうせなら、三曲まとめて収録されたCDは無いものかと思っていたら、先月、いつも拝見させて戴いている斉諧生さんのblogにて紹介されていた、「中古音盤堂奥座敷恒例、奧座敷同人 2004年の5盤」なる企画中で、まさにそのものズバリの盤が紹介されていた。ヴァイオリンがChristian Tetzlaff、ピアノがLeif Ove Andsnesという組み合わせで、Virgin Classicsレーベルから発売されている。(個別商品へのリンクが貼れないのだが、Virgin Classicsのサイトから、演奏者か作曲家名で検索するとたどり着ける)

情報は得たので、早速amazonで・・・と思ったら、どう検索しても見つからない。どうしようかと思っていた矢先、ふと寄った、行きつけのCDショップの輸入盤コーナーに、このディスクが! もしかしたら、すごく入手が容易なCDなのかもしれないが、個人的には、ささやかながらも欣喜雀躍の発見であった。ああ、blogって素晴らしい(感激)

他にもう二種、ピアノ曲を入手した。

一つは、以前から関心があった「ミクロコスモス」で、どうせなら全曲盤と思って探したところ、山崎孝によるものがあったので、これを購入。

もう一つは、ショップで見かけたコチシュによるピアノ曲集で、国内盤ながら1,050円と安かったので、つい買ってしまった。こちらを先に聴いてみたのだが、選曲もいいし、演奏も溌剌・颯爽としていて、実に楽しい。なかなか良い買い物であった。

とまあ、こんな感じで、バルトーク期間は続いているのであった。

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北朝鮮戦雑感

日本 2-1 北朝鮮(NHK-BSにて観戦)

いやぁ、やっぱ本気度高い試合は燃えるなー。開始早々の先制点、後半に同点にされ、あわや引き分けかと思われた後半ロスタイムに決勝点。うーむ、最終予選初戦からこれじゃ、疲れちゃうな。

で、その北朝鮮、最終予選に残っただけのことはあった。ボールへのアプローチが早く、マイボールになってからは、あまり手数をかけずにパスをつなぎ、やや遠目からでも、鋭いシュートを放ってくる。得点の場面なんか、決して高い位置でボールを奪ったわけでもないのに、ツータッチずつぐらいのタイミングできれいにボールを運んで、シュートのみならず、ゴールまでしてしまった。

とはいえ、同点にしたところで明らかに守りに入ってしまったようで、それまで頑張って抑えてきた日本の両サイドや小笠原を、だんだんと捕まえられなくなってしまっていた。日本が俊輔を入れて、4バックに変更してからは、マーキングも含めてまるで対応できず、防戦一方というあたり、やはりチームとして経験不足の感は否めない。

対する日本代表だが、前の2試合が余りにヌルかったためだかどうだか、ボールキープはできるものの、なかなか前に運べない。先制点となった小笠原のFKは見事だったが、チーム全体があれでかえって「無理せず大事に行こう」という雰囲気になってしまったようだった。

後半に入っての、俊輔投入&4バックへの変更は、結果としては大正解だったが、できれば同点にされる前にやって欲しかった。もっとも、4バックは同点(または0-0)からの、勝ちに行くためのオプションだろうから、あのタイミングが精一杯だろうか。

大黒のシュートだが、背後からのボールを、ノートラップで打った判断は素晴らしい。あそこでトラップしていたら、シュートは打てなかっただろう。高原の回りを、うまく動き回っていたようなので、結構いいコンビかもしれない。

俊輔には大いに感心。キープ力はあるし、球出しのタイミングも緩急自在と、本当に安定してきた。まあ、北朝鮮の足が止まり始めた時間帯からの投入だったので、そのへんは割り引いて考えなくてはいけないのだろうが・・・

なにはともあれ、勝ち点3はゲットできた。ジーコの采配も結果オーライとなったし、大黒も残り10分で投入され、代表初ゴールを挙げた。高原や俊輔も存在感は示せたし、いろんな意味で良い試合となったと思う。何から何まで「結果オーライ」という気もしないでもないが(汗)

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デジカメ購入、その後

昨年9月にデジカメを買った際に、記事を一本書いたのだが、その記事にトラックバックを戴いた。

で、そのトラックバックを読んで愕然。なんとこの機種、2万円で売られているそうな。およそ半年前とはいえ、僕が購入した時は4万円ちょいしたのが、なんと半値である。

まあ確かに、僕が買った当時から店頭では値崩れが始まっていたし、それからしばらくして、京セラがデジカメから全面撤退することもアナウンスされたわけで、現在売られているのは、いわゆる流通在庫の処分ということなのだろう。

僕自身は、購入以降、ごく普通に使っているが、今までのところ特に大きな不満もないし、トラブルも発生していない。強いて言えば、電池の保ちがかなり悪かったり、ズームの段階が粗めでだったり、やや彩度が不足気味だったりと、気になる点は無いでは無いが、まあ、そうと分かっていれば、運用でカバーできる範囲だと思う。

メーカーが撤退となると、今後のサポートが心配であるが、まあ、デジカメの寿命はせいぜい3~5年だろうから、京セラの名前にかけて、そのぐらいは面倒見てもらえると信じている。

というわけで、そこそこの機能で10倍ズームの機種をお探しであれば、とりあえずこのM400Rを選んでおくのも、悪くない選択だと思う。

そうそう、この機種の詳しい使用レポートがあったので、紹介しておく。「Finecam M400R日記」 とても参考になるので、衝動買いしちゃった人や、その予備軍の方は、是非ご訪問を。

それにしても半値とは・・・とほほ←死語

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「アラバマ物語」

「アラバマ物語/TO KILL A MOCKINGBIRD」(2月7日、NHK-BSにて)

この映画を観たのは、これが3回目ぐらいだろうか。気がついてテレビをつけたときには、既に開始から30分ぐらい経っていたのだが、そこから見始めて、結局最後まで見入ってしまった。

それにしても、この映画のグレゴリー・ペックは素晴らしい。背が高く、体が大きい。肩幅が広く、背中が大きく、足が長く、ハンサムだ。そして性格は穏やかで、常に落ち着いていて、正義を信じ、確固たる信念を持っている。まさに「理想のアメリカ人」なわけだが、この映画でのペックは、そんな「理想の人物」を、ひとかけらの嫌味も感じさせずに、見事に演じきっている。

今回見直して気がついたのだが、映画の中では、ペックの後ろ姿のショットが多い。いろんな苦労を背負い込み、それでも父親として、弁護士として、人間として誠実であろうとする彼の姿勢が、その広い背中に凝縮されているかのようだ。そしてその背中を見守るのは、いつも彼の子どもたちなのだ。

ハーパー・リー女史の原作は、1961年度のピューリッツァー賞を受賞している。翻訳は暮らしの手帖社から、今でも出版され続けている。(amazonでの取り扱いはこちら

小さい子どもを持つ父親であれば、一度は見ておくべき、読んでおくべき物語だと思う。

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浦和レッズ応援定期預金

既にご存知の方も多いとは思うが、「さいしんカップ」のスポンサーである埼玉縣信用金庫が、「浦和レッズ応援定期預金2005」なるキャンペーンを展開中である。

詳しくはリンク先(ただしPDFファイル)をご覧戴くとして、概略を書くと:

(1)預入金額は、10万円以上1,000万円未満
(2)レッズの2005シーズン順位によって、金利変動
(3)契約者先着80,000名にグッズプレゼント
(4)さらに抽選で100名に、特別グッズプレゼント
(5)契約金額総額(上限500億円)の一部を、レッズに寄贈

とまあ、こんな感じである。

(2)の「順位連動型金利」だが、1位(つまり優勝)の場合は、0.07%利率がプラスされる。以下、5位までであれば、順位に応じた金利がプラスさせる仕組みになっている。ちなみに、現時点での一般的な定期預金の利率は、約0.3%らしいので、優勝した場合には、単純計算で利率が約3倍になるわけだ。

もっとも、仮に100万円預けたとして、利息は0.3%で3千円。優勝時のプラス分0.7%を加えて1.0%、つまり1万円。利息には20%の源泉分離課税がかかるので、手取りは8千円となる。利息の絶対額を見てしまうと、ちょっと悲しい気分になるが、そこらの普通の定期預金よりは、利率の部分での楽しみがあるということになろう。

某関係者から聞いた話によると、2月1日の募集開始以来、二日間で1億円を突破したそうで、まずまず順調な出足だそうな。募集期間は4月28日までとのことなので、興味のある方はさいしんにお問い合わせを。

なお、僕はさいしんとは一切無関係である。あ、「レッズ通帳」は持ってるけど。投資は自己責任で(笑)

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「私の履歴書」

今月の日経新聞「私の履歴書」は、ドラッカーである。

まだ始まったばかりなのだが、「幼少の頃」というのが第一次大戦当時というのは、なかなかすごい。確か95歳のはずだから、20世紀をほとんど生きてきたということか。

オーストリア=ハンガリー帝国時代のウィーンに生まれたドラッカーだが、今朝の稿では、ドラッカーの父親が、第一次大戦後に、ザルツブルグ音楽祭の創設に携わったことが書かれている。まさに歴史の生き証人というところである。

今後の展開が楽しみだが、新聞はいつも読み終えると処分してしまうので、後で読み返したくなった時に困る。日経のサイトには公開されていないし、かと言って毎日切り抜くのも面倒だしなぁ。いずれ単行本になるだろうから、その時に再読することになろうか。

さて、ドラッカーの「私の履歴書」を読み終え、そのまま目を下に移動させると、渡辺淳一先生が朝っぱらから濃厚な描写にいそしんでおられる(笑) なんつーか、結構シュールな紙面構成かもしれない。

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シリア戦雑感

日本 3-0 シリア(TBSにて観戦、後半のみ)

帰宅と同時に前半終了。得点は、前半終了間際、アレックスのクロスから、鈴木が頭で決めたらしい。ハーフタイムでの解説陣のコメントを聞くかぎりでは、カザフ戦と同じく、安定した試合振りだったようだ。

さて、後半だが、確かに日本チーム、落ち着いているし、ボールも良く動く。今日のアレックスは特に良くて、いいタイミングで何度もクロスを放り込んでいた。アレックスが活発に動く分、カザフ戦で目立ちまくっていた加地は、やや控えめな感じ。それでも、何度かはいい上がりとセンタリングを見せていた。

まさに余裕の試合運びだったと思うが、これはやはり、シリア側に問題があったんじゃなかろうか。確かに、先日のカザフスタンよりは、各選手のコンディションは良かったように見えたし、ドリブルを中心とした個々の能力も、決して低くは無かったように思えた。それでも、相手(日本)のボールホルダーに対するプレスはそれほど厳しくないし、攻撃にかける枚数も少なく、厚みのある攻撃はほとんど見られなかった。

競り合いからのルーズボールや、相手の攻撃を跳ね返したボールが、ことごとく日本に拾われてしまうというのは、現時点での実力差なのか、はたまたチーム戦術の問題か、あるいは単に「本気度」の問題か←これっぽい  壮行試合はいいが、マッチメークには、もう少し神経を使うべきじゃなかろうか。

ところで、TBSの中継だが、解説の金田は例によって落ち着いていて、松木に比べればナンボかましなのだが、アナウンサー(誰だ?)は角澤といい勝負だった。ちょっと日本がカウンターくらっただけで、「今の守備はどうなんでしょう、金田さん?」と、あたかも守備陣が崩壊しかかったかのように騒ぎ立てる。まあ、確かに、ちょっと気の抜けたような守備もあったけれど、あのムードの試合なら、充分許容範囲だろうに。民放には、サッカーをまともに中継できるアナウンサーはいないのだろうか?

とはいえ、そんなヌルめのムードながらも、ちゃんと3点取って勝ったのだから、気分的には悪くない。小笠原も頑張ってアピールしたわけで、これでちゃんと小笠原が使ってもらえるならば、控えの選手も少しは気合いが入るだろう。

来週はいよいよ北朝鮮戦だが、ここ2試合がヌルかっただけに、いきなりガツガツと肉弾戦を挑まれて、ペースを狂わされたりしないといいのだが。

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「柔らかな頬」

柔らかな頬 上下(文春文庫)
桐野夏生著

(以下、ネタバレはしないように書くが、予備知識が少ないほど楽しめる小説だと思うので、それだけあらかじめ記しておく)


「OUT」での衝撃的な結末には茫然としたものだが、直木賞受賞の本作も、終盤へ向かって、「OUT」に負けず劣らずの意外な展開を見せてくれる。

僕個人としては、主人公・カスミが女性であるということ以上に、作中で描かれる彼女の性格や考え方に、まったく共感できなかったのだが、それでも彼女が選び辿る道程は、否定しがたい説得力に満ちている。そういう意味では、ほとんど全ての登場人物が、何らかの弱さや狡さ、あるいは心の闇といったものを抱えているため、誰に感情移入できるわけでもない。読者はひたすら、彼らの醜悪な言動を見せつけられるだけだ。

「OUT」では、主要な登場人物達は、どうしようもなく「出口無し」の状態に陥っていたわけだが、本作でも、それは同様だ。救いがたいのは、彼らが「それしかない」という思いから、より悪い選択をしてしまうことで、実際には、他の選択肢もあったにもかかわらず、どういうわけかそれを選べないのだ。

誤った選択が、更に悪い選択をさせ、結果として生じた「幼女失踪」という事件を契機に、すべてが崩壊していく。そして、最後に残ったものは何だったのか?

どうにも重くてやりきれないストーリーだし、後味も決して良くない。さらに言えば、小説としては破綻している印象さえあるが、読者を捉えて離さない、圧倒的な筆力があるのは確かだ。いろんな意味で衝撃の一作である。

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