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「モンスター」

モンスター」を観た。(11月1日、上野東急にて)

「世界でもっとも美しい50人」に選ばれるほどの美貌の持ち主、シャーリーズ・セロンが、自らの体重を13kg以上増加させ、さらに特殊メイクを加えて、醜い娼婦を演じ、オスカー(主演女優賞)を射止めた話題の作品である。

注目すべきは、評判通りセロンの演技だが、特殊メイクの助けがあるとはいえ、複雑な背景を持つ主人公を、実に見事に演じきっている。(この特殊メイク、目元と口元は完璧だが、惜しいことに頬の周辺に表情が出きらない。無理な注文かもしれないが、時折表情が不自然になるのが気になった)

肝心のストーリーだが、実話をベースにしているとはいえ、これは余りに救いの無い話だ。

娼婦としてしか生きる術を知らなかった女(リー)が、同性愛者の女(セルビー)に心を寄せられる。異性ではなく、同性であるがゆえに、セルビーの純粋な好意に応えるリー。しかし、二人だけの幸せな生活を求めたリーが選んだのは、結局は娼婦として稼ぐことだった。

ある事件から最初の殺人を犯してしまったリーは、それをきっかけに、自分を正当化しつつ、殺人を重ねて行く。それは彼女の収入の手段であると同時に、そんな自分を作り上げた社会への復讐でもあったのだ。

ラスト近く、逮捕され、収監されたリーが、セルビーと電話で話すシーンは素晴らしい。全てを悟ったリーが、セルビーのために、切々と語る台詞が、重く、悲しい。ここにも「貧困と無知」が引き起こした悲劇があった。

監督は、これが長編デビューの女流パティ・ジェンキンズ。自ら脚本も書いたとのことで、全編を同じようなトーンで、手堅くまとめている。上々の出来ではあるが、せめて何か、「救い」のようなものが欲しかった。

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