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NHKスペシャル「アテネへ」

NHKスペシャル「アテネへ~山本監督と若きイレブン メダルへの挑戦~」を見た。(8月8日放送)

アテネ五輪最終予選突破後、五輪代表の最終選考の舞台となった、石垣島での合宿の模様を中心としたドキュメンタリーである。

番組冒頭のインタビューで、山本監督は「オリンピックは"素晴らしいサッカー"を見せる場所ではない。勝つために戦う場所だ」と言い切る。

同じポジションの選手同士を組ませて練習させるという、あざといまでのやり方の一方で、緻密な練習メニューを組み、暑さ対策に象徴される、万全のサポート体勢を敷く周到さ。最終予選での主将・鈴木啓太を最後の最後で外す一方、当然の権利のごとくにオーバーエージ枠を使うリアリストぶり。

こういった徹底した準備と、確率論を積み上げたかのような選手選考に対しては、「チキンハート」と侮蔑する声もあるだろう。とにかく、万事におけるリアリストぶりは、一種のロマンチストであるジーコの、まさに対局にあるといえよう。

ふと、以前読んだ「宮内義彦 経営論」にあった、「泣きながら合理性に振る」という一節を思い出した。日本的経営の良さを十分に理解したうえで、たとえ涙を流しながらでも、アメリカ的合理主義を実践することが、これからの経営だ・・・という文脈だったように記憶している。

山本監督の手腕は、間違いなく優秀なコーチ(参謀)のそれであろう。果たして、優秀な参謀が、優秀な指揮官(監督)にもなりうるのかどうか。恐らくは山本監督自身が、同じ問いに苛まれ続けているに違いない。

アテネオリンピックは、日本サッカーのメダルへの挑戦であると同時に、リアリスト・山本監督自身の、「サッカーの不合理性」への挑戦でもある。


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