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「猛き箱舟」

猛き箱舟〈上〉 (集英社文庫)


船戸与一「猛き箱舟〈上〉 (集英社文庫)」を読んだ。

なんで今頃この作品?・・・という感じだが、実家の本棚を整理していたら、これがあって、しかも未読だったことに気がついたのだ。初版が1987年だから、17年前の作品。僕が買ったのは文庫版だが、それでも1990年発行になっている。

いわゆる国際謀略モノには鮮度みたいなものがあるから、できるだけ発行時点で読むのが正しいのだとは思う。そういう意味で心配しながら読んだのだが、とりあえずは杞憂であった。

船戸与一の作品はいくつか読んでいるが、「山猫の夏」以外は、もうひとつ好きになれない。どの作品の根底にも、資本主義の旗のもと、後進諸国を食い物にする欧米諸国への憎悪や、それに唯々諾々と追随する現代日本への嫌悪が流れていて、時としてそれが前面に出過ぎるきらいがあるからだ。

で、「猛き箱舟」である。

海外進出企業がトラブルに陥った際に、非合法かつ暴力的な手段で解決する、「海外進出企業の守護神」こと隠岐浩蔵とそのグループ。その一員に加えてもらおうと画策する、主人公・香坂正次。

主人公の隠岐浩蔵へのアプローチから、マグレブ(西アフリカ)での任務に就くあたりまでは、一人称の語り口がしっくりこなくて、どうにも読みづらかったのだが、ポリサリオ解放戦線との攻防戦以降は、もうノンストップ。無理な設定、唐突な展開、ピンチの数々!・・・と、「ありえねー」なツッコミどころが満載なのだが、「そんなこと知るかぁ!」というパワーで、最後まで突っ走る。もう、船戸ワールド全開である。

エンターテインメントとして楽しむには、あまりにも小説の背景が深刻なのだが、こういう「骨のある」小説も、時には読んでおくべきなのかもしれない。

結論:船戸作品は、読むのにもパワーが必要。

ところで、ブリーダー・プログラム参加中のbk1だが、上のリンクでもわかる通り、何故かこの作品、下巻しかデータベースに載っていない(汗)  これじゃ、誰も買わないって>bk1さま  ま、誰も見ないだろうけど、例によってトラックバック送っておくので、これを見たら上巻も載せて戴けると幸いである。

<2009/7/20追記>
最近ふと検索ワードを見てみたら、なぜかこの「猛き箱舟」でここに辿り着いてる方が多いのに気づいた。感想はともかく、上記bk1のリンクが既に無効になってるっぽいので、Amazonに変更しておいた。アフィリエイトだけど(汗) ま、いちおうご参考ってことで。

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