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「壁画修復師」

藤田宜永「壁画修復師」を読んだ。

艶紅」が面白かったので、他の作品を・・・と思っていろいろ書評を見てみたところ、この「壁画修復師」の評判がいいようなので、読んでみた。

5編からなる連作短編集だが、基本のパターンは同じ。主人公の壁画修復師・アベが、仕事のために滞在しているフランスの田舎村で出会った人々の、それぞれの哀歓に溢れた物語に触れるというもの。

アベは、基本的には何もしない。アベが異邦人であるがゆえに、彼に接する人々は、問わず語りに自らの過去や思いを話し出す。そしてそれが契機となって、彼らの心は、少しだけ、修復されることになる。

各作品の舞台となる、田舎の風景描写が素晴らしい。時折出てくる、フランスの郷土料理らしきものも、とても美味しいそうだ。

短編のため仕方ないのかもしれないが、「艶紅」のような濃密さは、ここにはない。プロットも若干荒削りに思える。二作しか読んではいないが、この作家は長編向きと見たが、どうか。

著者のもう一面である、冒険ハードボイルド系の雰囲気に満ちた、アベの佇まいが心地よい。

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