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「艶紅(ひかりべに)」

藤田宜永「艶紅(ひかりべに)」を読んだ。

「愛の領分」での直木賞受賞直前の作品で、本の雑誌の「恋愛小説ベスト200」にも選出されている。

一言で言ってしまえば、「大人の恋にハッピーエンドはあり得ない」ということか。男も女も、二人が乗り合った船では海を渡れないことを予感しつつ、それでも船を出さずにはいられない。

とりたてて性描写が強烈なわけではない。むしろ閨房以外の場所で、相手のふとした表情や仕草に、性的な感情を呼び覚まされるような、そんな繊細かつ濃密な描写が印象的だ。他の作品も読みたくなってきた。

小説を読む楽しみの一つに、作品を通じて知らなかった世界を垣間見るということがあると思う。競馬は好きだが、装蹄師という職業は知らなかった。また、機織や染色についても無知だった。もちろん、祇園の御茶屋についても。良く取材されたこれらの背景が、この作品に奥行きを与えている。(勉強のあとがちょっと見えすぎ・・・という気もするが)

奥方の小池真理子も恋愛小説の名手だが、当然のことながら、作風はまったく異なる。これはやはり、男と女の違い、なんだろうか?


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