「わたしたちの帽子」

わたしたちの帽子

わたしたちの帽子(高楼方子)

下の娘(小三)が学校の図書館で本書を借りてきて読んでいたのだが、読み終えた後に「面白かった!」とやたらと興奮しているので、僕も読ませてもらったのだが…

おおお、これは素晴らしい! 主人公が小学生の女の子だし、主要な登場人物がほとんど女性だから、恐らくはうちの子みたいに小学生の女の子に最も波長の合う物語なんだろうとは思うが、オヤジが読んでも充分に面白くて心に残る作品である。

物語の雰囲気自体は、日常からちょっとはずれた不思議な物語…なんだが、これが単純な超自然ファンタジーじゃないところが素晴らしい。そうなんだよ、なんでも魔法やら超能力(タイムスリップとか)やらを出せば面白くなるわけではないのだ。なさそうでありそうで、でもやっぱりないだろうけど、ほんとにあったらいいなぁ、という物語。本書で物語の面白さに目覚める子どもは、きっとたくさんいるに違いない。力強くオススメである。

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vs.オーストラリア(2010W杯最終予選最終戦)

日本 1-2 オーストラリア(NHK-BS)

NIPPON : FOREVER IN OUR SHADOW

「ニッポンは永遠に俺らの後ろさ」…とでも訳せばいいんだろうか。試合終了後のスタジアム風景にあった、黄色地の大断幕に書かれた言葉である。傷口に塩を擦り込まれるが如くの一言であって、同時にまさしく現時点での両チームの力量差を的確に表現した言葉でもある。

闘莉王の先制ゴールこそ見事であったが、その後はまさに力で押し切られた感のある逆転劇。うーむ、これじゃ前回ドイツ大会での屈辱の逆転劇から何も変わっていないではないか。

本大会までの一年で、どこまでこのチームを強化できるのだろう? ベスト4はリップサービスとして(にしても言い過ぎだと思うが)、せめて予選リーグでの1勝を実現させて欲しい…と願うぐらいがちょうどいいと心に刻んだ今回の一戦であった。やれやれ。

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vs.カタール

日本 1-1 カタール(NHK-BS)

先日のウズベキスタン戦で本大会出場を決めた日本代表であるが、岡田監督は退席処分でこの試合指揮が執れないし、長谷部は退場処分で出場停止だし、遠藤は故障気味で離脱だし…ってことで、いろんな意味でどんな試合になるのか見てみたかったのであるが、うーむ、これはこれは。

移動距離と日程は確かに厳しいものがあったが、それはカタールも同条件だし、ピッチコンディションも含めてやっぱりホーム側が有利じゃなくちゃいけないと思うのだが、90分通じてアグレッシブだったのはカタールであった。ま、あちらは残る「0.5枠」への可能性があったわけだから、しゃかりきに来るのは当然予想の範囲内であったわけだが、それならそれで、日本にとっては良いテストマッチにしなくちゃいけない試合だったのではないか。凱旋試合としてしっかりホームで勝ちに行くのか、あるいはテストマッチと割り切って今まで出番の無い選手を試すのか、スタメンも戦術もどちらもそのあたりが明確じゃなかった気がする。

次のアウェイ、オーストラリア戦は、果たしてどんな目的意識で臨むのだろう。相手のゲームプランにはまってドローに持ち込まれたホーム戦のリベンジを果たすのか、はたまた主力温存で控えのテスト&消化試合に徹するのか。なんだかヘンな意味で楽しみになってきた(←邪悪)

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「スラムドッグ$ミリオネア」~ビター・マサラムービー

スラムドッグ$ミリオネア」(ダニー・ボイル監督、TOHOシネマズ・シャンテ)

本年度のアカデミー賞で作品賞と監督賞以下計8部門を受賞した本作であるが、先日出かけた平日夜の回は思いがけずガラガラであった。確かに面白かったのではあるが、微妙に人に薦めにくい映画かもしれない。

(で、例によって以下ネタバレはしないが、未見の方は読まないほうが吉のような気がするのでご留意を)
 
 
 
世の中にいわゆる「クイズ番組」は星の数ほどあるが、やはり王道は複数回答者による早押しクイズか、あるいは一人の回答者がひたすら答え続けるタイプだろう。後者の番組スタイルで、どこまでも正解を答え続ける青年がいた。彼は高学歴の秀才でもなければ、あらゆる教養に触れるような上流階級の人間でもなく、スラム出身のお茶汲み係であった。どうしてこんな「スラムの負け犬(スラムドッグ)」が、いくつもの難問に正答していけるのか?

クイズ番組で正解を答え続ける模様と、彼の生い立ちが交互に描かれていくのだが、あまりに過酷なその少年時代に圧倒される。金などとは無縁なはずのスラムの少年達が、その貧困と無知の故に下劣な大人達に搾取されるエピソードには、目を背けたくなる思いがした。

そしてその過酷な生い立ちそのものが、クイズ番組で正解を選び続ける原動力になっているのが映画のキモだろう。複雑な場面転換を繰り返しつつ、細かいカット割りと不安定に傾いた構図が、決して技巧的に過ぎずに、映画全体に不思議なスピード感と力強さを与えている。

結末はもちろん見てのお楽しみだが、僕はあれでいいと思う。だってこれは、すさまじくビターなおとぎ話だと思うから。あと、エンディングを楽しむためには、「ムトゥ 踊るマハラジャ」あたりのかつて流行った「マサラ・ムービー」を見ておくと大吉である。(★★★★)

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vs.ウズベキスタン~2010ワールドカップ一番乗り!

日本 1-0 ウズベキスタン(NHK-BS)

日本代表、それも「岡田ジャパン」なんぞに興味はねーよ…とうそぶいてられるのはもちろんフレンドリーマッチのみであって、最終予選のシリアスマッチとなると、そりゃ見ないわけにはいかない。で、結果は周知の通り、審判まで含めた劣悪なアウェイ環境の中、粛々と2010年ワールドカップに一番乗りである。

それにしても恐ろしくトンデモな主審であって、あの調子だと日本のペナルティ・エリア内で接触プレーでもあろうものなら、なんのためらいもなくPK宣告しそうでヒヤヒヤものであったが、ありがたいことにそれほど微妙な場面は無し。その代わりというかなんというか、「ヒジ打ち疑惑」で長谷部が一発レッド、おまけに岡田監督も退席で、主審的にはバランス(何の?)取ったつもりなんだろうか。

結果としては余裕の予選通過であったが、うーん、こんなんでいいんだろうか。中東勢が相対的に力を落としている印象もありはしたが、やはり「4.5枠」というのは大きい。マーケットとしてのアジアを慮っての「4.5」だとは思うが、ここはひとつ本大会でもアジア勢が大躍進して、「あー、アジアに4.5もやらなきゃ良かった」とかFIFAに思わせたいものだ。

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vs.ジュビロ(2009ナビスコカップ予選)

レッズ 1-0 ジュビロ(駒場スタジアム)

前回参戦したアルビレックス新潟戦以来久しぶりの参戦は、これまた久しぶりの駒場スタジアム。埼スタはもちろん大好きだが、駒場みたいな小さなハコも、やはり捨てがたい。一体感が醸成されやすいとでもいうか、何とも言えず「駒場らしい」雰囲気があるような気がするのだ。

でもってその駒場でのジュビロ戦。ナビスコカップ予選リーグではあるが、今ひとつ調子の上がらなかった前半戦から折り返し、前節新潟戦を若手中心で快勝してグループ暫定首位。こうなったらこのままさくっと予選突破を決めて欲しいところであって、そんな期待もあってか、平日のナイトゲームにしては上出来の17,000人ほどの集客となった。

試合開始早々のアレックス負傷退場により、いきなり右SBに投入されたのが永田拓也18歳。最初こそプレーがぎこちなく見えたものの、すぐに試合に溶け込んで、前半に関してはまずまずの活躍振り。後半20分過ぎからは相手が人数をかけて攻めてきたこともあって、かなりボコられてしまったので、評価としては「もうちょっとがんばりましょう」と「よくできました」の中間ぐらいだろうか。攻撃時のオーバーラップとか、なかなか思い切りのいいプレーもあったので、今後もできるだけ見てみたい選手だ。

高原は今季初ゴールを含めて「たいへんよくできました」。やっぱフォワードはゴールに向かってナンボである。これをきっかけにもっとゴールへの貪欲さを取り戻して欲しい。その他の「たいへんよくできました」組は、暢久と坪井のCBコンビに、好セーブ(出会い頭という説もあるが)を連発したGK山岸であろう。

後半20分過ぎから試合終了まではピンチの連続で、見ていてやたらと肩に力が入ってしまったが、みんな最後まで良く頑張った。若手もベテランも、「自分は今ピッチ上で何をしなくてはいけないか」を一所懸命考えながら走り回っていたように見えて、観戦満足度の高いゲームであった。予選リーグ、残るは大宮との一戦のみである。すっきり勝って、カップ奪回への意気込みを見せて欲しいものだ。


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「ツレがウツになりまして。」

NHKの金曜ドラマ「ツレがウツになりまして。」の第一回を見てみた。

原作を読んでないから良くわからないんだが、藤原紀香演じる妻の、夫に対する「ツレ~」という呼び方に違和感を覚えつつも、ドラマ全体としてはとてもしっかりと丁寧に作られていて、残りの二週分も見ようと決めたのであった。

とまあ、そんなことはどうでもいいんだが、第一回の冒頭に吉松隆「プレイアデス舞曲集」の一曲が流れてきた。全編吉松隆の音楽なのかと思ったら、そんなことはなくて冒頭の「5月の夢の歌」とあともう一曲が流れたのみだったのだが、とりあえず冒頭の選曲はナイスだなぁと思っていた。

で、後日その吉松隆のblog「八分音符の憂鬱」を巡回したところ、ちょうど「ツレがウツになりまして。」の記事が! 自分の曲が使われるとは本人も知らなかったようで、プチシンクロニシティみたいな顛末が語られていた。

この話にはおまけがあって、その後原作の「ツレ」さんから吉松隆にメールがあったそうで、これらの選曲は「ツレ」さんからのリクエストだったとのこと。ドラマの中で「ツレ」役の原田泰造が片付けてるCDの中に、「プレイアデス舞曲集」のCDも混じっていたそうだ。

僕自身は何にも関わってないんだが、思わぬ形でドラマの楽屋話を目にすることとなった。なんか得した気分である(やや違)

ちなみに、「5月の夢の歌」が入っているのはこのCD↓

吉松 隆 : プレイアデス舞曲集 2

第1集」と並んで、気が遠くなるほどに美しいアルバムである。

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「スペインの貴婦人」~復習と予習

インフルエンザ・ウイルス スペインの貴婦人―スペイン風邪が荒れ狂った120日

新型インフルエンザがパンデミック直前だとか騒がれている今日この頃であるが、20世紀初頭に大流行したインフルエンザ、いわゆる「スペイン風邪」のルポでも読んで心構えしようと本書をひもといた。

うわ、しかしとんでもないな、これ。通称「スペインの貴婦人(Spanish Lady)」に罹患したと推定されるのは、当時の世界の人口20億人のおよそ半分、10億人。死亡者数は資料によって違いがあるようだが、本書ではおよそ2100万人と推計されている。単純計算で当時の全人口の1%が、このインフルエンザに命を奪われたわけだ。仮に現在の世界人口を60億人とすれば、致死率1%で実に6000万人が亡くなる計算になる。

もちろん衛生状態とか医療制度・設備なんかは当時とは比較にならないから、万一パンデミックに至ったとしても、上記のような数字にはならないと思われはするが、それでも各国で10万人単位の犠牲者が出る可能性は充分にある。

本書に戻ると、これは「スペイン風邪」の発症から鎮静までのおよそ4ヶ月間を描いたドキュメントである。大陸間の移動は船舶なわけだが、インフルエンザ発症者を乗せた船が停泊するたびに、その土地にウィルスを撒き散らしていく過程が恐ろしい。水際での検疫を実施していた港があったにもかかわらず、である。航空機時代の現代にあって、水際防止がいかに困難かは、この事例をもってしても明らかだ。

これはあくまでも「スペインの貴婦人」の猛威の記録であるから、今日の新型インフルエンザ流行に関して何か有益な情報を提供してくれるわけではない。とはいえ、この種のインフルエンザ・ウィルスがどれほどの猛威をふるったのかは、知っておいても損は無いだろう。

それともうひとつ。「スペインの貴婦人」流行時には、人類はインフルエンザ・ウィルスに対してほとんど無力だったわけだが、それ故に人類共通の敵に向かって、各国が、各個人が力を合わせて立ち向かおうとするに至ったことには感慨を覚えた。

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来るべきパンデミックに備えて、というわけで「ほぼ日刊イトイ新聞」での特集「新型インフルエンザの基礎知識」を見つけたが、こちらは直接的に参考になることばかりである。「手洗い、うがいの励行」が「スペイン風邪」流行の産物とは初めて知った。「スペイン風邪」を復習しつつ、「新型インフルエンザ」の予習をしておこう!

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キッザニアに行ってきた

連休中に下の娘(小三)にせがまれて、キッザニア東京とやらへ行ってきた。

施設のコンセプトなんかはリンク先の公式サイトを見て戴くとして、要するにスケールの大きなママゴト施設である。

とはいえ、ママゴトというか真似事ってのは真面目かつリアル度が高いほうが面白いのは当然で、施設内に80種類ほどあるという職業体験施設(パビリオンと呼ぶらしい)は、いずれも設備が充実していて、本気度の高いものであった。

ここのミソは、どのパビリオンも大人立ち入り禁止というところで、いったん職業体験が始まると、大人は施設の外から眺めているしかない。子どもにとってはこの「自分一人で参加してる」感がたまらないのだろう。出だしこそ僕の側を離れなかった娘だが、一つパビリオンを経験してから度胸がついたのか、「今度はあっち行ってくるから」と親を放り出す有様であった。

職業体験という教育的要素があるということで、Education + EntertainmentでEdutainmentなテーマパークということらしいのだが、子ども達にとってはリアルな「ごっこ遊び」の場以上でも以下でもないだろう。そういう意味で、小学校の中高学年あたりが最もここを楽しめる世代だと思う。

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出かける前にはどんなとこだかさっぱりイメージが掴めなかったのだが、前日に「キッザニア 攻略」でググったところ、いつかの有益サイトに出会うことができた。ありがたいことである。そうそう、施設の性格上入場者数を制限しなくちゃいけないので、なかなか予約が取りにくい印象があったのだが、各情報サイトから得た情報で、深夜のweb予約カレンダー更新タイミングを狙って、GW中でも問題無く予約が取れた。口コミ情報(特にママさん達の)は偉大である。

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「グラン・トリノ」~思い出のアルバム

グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド監督、5月1日 MOVIX三郷)

連休合間の映画の日、運良く休みとなったので、朝イチの回で鑑賞してきた。朝から映画って、贅沢なような、逆に少々貧乏臭いような、微妙な気分である。

※以下、ネタバレはしないけれど、これから鑑賞予定の方はできるだけ事前情報が少ない方が圧倒的に吉である。ご留意を。


このところほぼ毎年のようにイーストウッド監督作品が製作・配給されてるような気がしていて、事実ほぼその通りなんであるが、出演作としては「ミリオン・ダラー・ベイビー」以来となるらしい。そういう意味では、まさに「満を持して」というか、自らが納得のいく役柄での出演ということなんだろう。

とにかくイーストウッドの「偏屈じいさん」ぶりがすごい。このキャラクターで連続のテレビシリーズ作ってもいいんじゃないかと思えるほど、キャラが立っている。もちろんそれは、本作の主人公であるところの「ウォルトじいさん」の造形が見事なのと同時に、僕も含めた多くの観客が「(ダーティー)ハリーじいさん」を見ているからでもある。そらあんた、現役時代のハリー・キャラハンを知ってたら、あんまり近くに寄りたいなんて思わないでしょうよ。

がしかし、時は過ぎ去り、今や「ダーティー・ハリー」を知っている若者なぞ見あたらなくなってしまった。ましてやそれがアジア系の移民ティーンズであれば尚更だ。そして「ハリー」を知らない若造共には、「これ以上俺の友人に近づいたら、ただじゃおかないぞ」という脅しはまるで通用しない。彼らの辞書(持っているとして)には「リスペクト」という言葉すら無いに違いない。

自分が信じ、大切にしてきたものを受け継がせる次世代が見当たらないことに思い至った時、「ウォルト=ハリー」は彼自身も思ってもいなかったであろう決着を選び、同じく考えてもいなかった「世代」を後継者に選んだ。その選択の是非がわかるのは、恐らく10年、20年経った頃だろう。

イーストウッドがいろんな思いを込めて作り始めた自らの「思い出のアルバム」……、エンディングに流れる渋く朴訥とした彼自身の歌声を聴きながら、そんなことを考えた。このアルバム作り、まだあと何冊か作られそうな気がするし、そうであって欲しい。(★★★★☆)

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